カテゴリ:せいなるくらし
縁あって思い出した高史明さんの本を、本棚からひとつ取り出して読んでみる。
「歎異抄のこころ」(NHK出版) 私はこういう話が好きだなあ、と改めて思う。 どういう話か? いわゆる「回心の物語」が。 あることがきっかけで(多くは極限状態がきっかけとなり)、今までの自分が 「すべてにおいてまちがっていた」 ことに気づき、天地がひっくり返るほどの大転換が自分自身に起こるお話だ。 それは、古い自分が一度死に、新しい自分が生まれるお話ともいえる。 私がどうしようもなく心惹かれるお話は、そんな回心の物語であることが多い。 たとえば。 高史明さんが息子さんを自死という形で亡くされたあと、「歎異抄」に出会うお話。 冤罪の元死刑囚、免田栄さんが獄中で聖書の一節に出会うお話。 バーバラ・ハリスが臨死体験後に回心が起こる物語。 横田早紀江さんが、めぐみさんの失踪後に「ヨブ記」と出会うお話。 大道寺将司死刑囚が獄中で「豆腐屋の四季」(松下竜一作)と出会うお話。 アルコール依存症者が自分の無力を認め、自分を超えた大きな力を信じるようになるお話。 極端だけどあの「ホームレス中学生」だって、私は回心の物語として読んだ。 それは、エゴにこりかたまった「私」から離れて、人間の力を超えた大きな存在の側からちいさな「私」を見れるようになる物語だ。 幼い頃からずっと、そんなお話が大好きだった。 なぜなのかはわからない。 きっと深い理由があるのだろうけど、それも何かのご縁なのだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.11.01 19:51:21
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