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清掃生活 * seinarukurashi

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2008.10.22
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ふと立ち寄った書店の入り口に、その言葉が貼ってあった。


「わたしはぞうきんになりたい」



えっ!?



そのときの驚き。

よく見るとそれは雑誌の切り抜きで、そこには笑顔のおじさんがふたりにこにこと写っていた。
韓国の詩人高銀(こ・うん)とアメリカの詩人アレン・ギンズバーグである。


「わたしはぞうきんになりたい」


それからずっと、その言葉は私のからだの奥に棲みついた。



調べてみると、高銀氏の経歴が、さらに私をひきつける。

朝鮮戦争で絶望し、出家し僧侶になる。
その後韓国の民主化運動にかかわり、投獄、拷問され、今回のノーベル文学賞の候補でもあったとか。

夫は若かりし頃、高銀氏の著作をよく読んでいたらしい。
「当時の民主化運動のヒーローだったよ」という。


そんな人が書いた詩。
あれからずっと、私のからだの奥底で棲みつづけている一遍の詩である。

・・・・・・・・・・・・・

「ぞうきん」

風が吹く日

風に洗濯物がはためく日

私はぞうきんになりたい

卑屈ではなく ぞうきんになりたい

我が国の汚辱と汚染

それがどれほどか問うまい

ひたすらぞうきんになって

ただ一ヶ所でも謙虚に磨きたい

ぞうきんになって 私が監房を磨いていた時

その時代を忘れまい



私はぞうきんになりたいね

ぞうきんになって

私の汚れた一生を磨きたい



磨いた後 汚れたぞうきん

何回でも

何回でも

耐えられなくなるまで濯がれたいね

新しい国 新しいぞうきんとして生まれ変わりたい

(「高銀詩選集:いま、君に詩が来たのか」藤原書店)





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Last updated  2008.10.22 08:52:26
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