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清掃生活 * seinarukurashi

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2010.01.25
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カテゴリ:
この人すごい。

久しぶりに没頭して読んだ一冊。

1001読み解き般若.jpg



「心に切り刻むように思い出し、悔いてあやまりたい。
 寝たきりの母にになって、はじめてすくわれた。
 夫をなくした友人の悲しみを思って、耳を澄ます。
 気がついたらまわりは、
 老いて病んで苦しんで、死んでいく人でいっぱい」
             (本書帯のコピーより)


あの伊藤比呂美の新刊が、お経の本だよ。
うれしくて飛び上がりそうになる。

彼女によるお経の現代語訳は、全編それは美しい詩であった。

冒頭の「懺悔文」から、もう完全にやられた。


 わたしが
 これまでに
 なしてきた
 いろんなあやまちは
 はるかなむかしから
 みゃく
 みゃく
 とつながる
 むさぼる心・いかりの心・おろかな心
 をもとにして
 からだ・ことば・いしき
 をとおして
 あらわれて
 きたものだ。

 わたしはいま
 きっぱりとここにちかう。

 そのすべてを
 ひとつ
 ひとつ
 心をきりきざむようにして
 悔いていきます。

     (「読み解き「般若心経」」朝日新聞出版社)



すごいでしょ。
ストレートに入ってくる。
書き写して、持ち歩きたい。


仏教徒ではないくせに、お経大好きの私。
i-podにはもちろんお経が数種入っている。
これまで数々のお経解説本を読んできたけど、この本が私のベストワンとなった。

病気や介護や看取りや別離や老いなどの、自身の苦しみに満ち満ちた生活から絞り出されたような詩(お経)だからこそ、あっけなく心打たれる。
そういう意味では、高史明による「歎異抄」の本もそうだった。
血の通ったお経が好きだ。

本書にはいろんなお経がつまっている。
圧巻は「観音経」の章。
胸が痛くなったあとくすっと笑った。
「地蔵和讃」では泣いてしまった。

最後の「四弘誓願(しぐせいがん)」は、こんな感じ。


 ひとびとはかぎりなくいます。
 きっとすくいます。

 ぼんのうはつきません。
 きっとなくします。

 おしえはまだまだあります。
 きっとまなびます。

 さとりはかならずあそこにあります。
 きっとなしとげます。

     (「読み解き「般若心経」」朝日新聞出版社)



力強くてシンプルで、そしてしなやか。
ちなみにオリジナルはこちら↓

 衆生無辺誓願度(しゅじょうむへんせいがんど)
 煩悩無盡誓願断(ぼんおうむじんせいがんだん)
 法門無量誓願学(ほうもんむりょうせいがんがく)
 仏道無上誓願成(ぶつどうむじょうせいがんじょう)


久しぶりに私のお経熱に灯がついた。
特に、本書で観音経の魅力にやられてしまった私は、早速CDを買い求めるつもりである。
このノリ、まるでお気に入りのミュージシャンを発見した気分。

本書にはこんな風に書かれている。

「観音経というのは「般若心経」みたいな独立したお経ではなく、いわば「法華経」というアルバムからシングルカットされたお経なのであった」

シ、シングルカット・・・(笑)。

ともあれ、年の初めに素晴らしい本に出会えて満足である。

ねんぴーかんのんりき









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Last updated  2010.01.25 14:39:36
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