カテゴリ:せいなるくらし
36歳という若さで。
8歳の一人娘を残して。 11月9日に、突然あなたが死んでしまった。 あなたは私の子どもたちを、ほんとうによくかわいがってくれた。 はるか昔、あなたが小さな女の子だったときから、ずっと私のことを慕ってくれていたのはちゃんとわかっていた。 でも私は正直言って、あなたのことが苦手だった。 あなたの好意は私にとっては迷惑だった。 あなたの贈り物はうっとうしかった。 あなたの言葉や行動を、内心いつも批判していた。 うちに遊びに来るときいたときには、ひそかに舌打ちさえしたのだ。 そんな私のまなざしは、あなたにどんなふうに届いていたのだろうか。 棺の中で、もう動かなくなってしまったあなたのお顔を見ていたとき、私の胸の奥底にある深い井戸から、ごめんなさいという言葉がとめどもなくあふれ出る。 それはやがて静かな泉となって、汚れきっていた私を清めてくれるのだ。 こうして静かな泉の中にいると、ありありとわかる。 私が完全に間違っていた。 問題があるのは、すべて私のほうだったということに。 今まで抱えていたさまざまな「問題」が、一気につながって氷解していく。 あのときのあの問題、あの人との別の問題。 なあんだ。根っこはみんな同じだったんじゃないか。 あなたの尊い命を失うことによってしか、気づけなかったなんて。 まるでオセロゲームで黒のコマが一気に白に変わるように、 それまで「マイナス」だっとことがすべて、「プラス」にひっくり返っていく。 あなたが死んだとき、私の中で、ささやかな回心が起こったんだ。 佳代子。 今、あなたに会いたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.11.12 18:23:28
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