カテゴリ:せいなるくらし
就任演説全文。
冒頭、 「(私は今日…)我々の祖先が払った犠牲を心にとめて、この場に立っている」 のくだりから、ぐっときてしまう。 夫にそれを話したら、 「俺も。自分も同じく、祖先の犠牲に感謝しているから」 と言う。 日本で生きるマイノリティである夫の出自を思うと、「そうだろうなあ」と改めて思う。 それに比べて、日本で生きるのんきなマジョリティ(?)日本人である私は、そのへんにはたいそう鈍感であった。 しかし、そんな私でもあの演説には心うたれた。 なぜならば、私も同じく先祖・先人たちの「犠牲」に、あらためて心をとめたのだから。 近代といわれる時代の中で、私という人間があたかも一人で生まれてきて、自分一人の力で生き抜いて、自分のためだけに生きて死んでいくかのような、そんな錯覚の中で生きてきた。 (なさけないことに、今でもときどきそう錯覚することがある) 若い頃は、「自分のために」生きることこそが人生の醍醐味だった。 自分の欲を満足させること、自分の快を追求することこそが人生の目的で、自分以外の人のために生きることなんて、ナンセンス(←死語)だった。 でも今はちがう。 人生の目的は、「私以外の人のために生きること」に移行しつつある。 自分とは、長い歴史の中で、広い世界の中で生きるちいさな存在にすぎないことを、理解しつつある。 だからこそ、私の人生に意味があるのだということも。 私の日々の所作が、三世代先の子どもたちのためでもありますように。 そのことをことさら声高にではなく、ささやかにひっそりと、人知れずおこなえますように。 関連ブログ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.01.23 21:17:35
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