井上雄彦 最後のマンガ展
my ネ申・井上雄彦の「最後のマンガ展」に行ってきました。しかし会場の上野の森が近づくにつれて異様な光景が。。。ま、まさか、アレ、観に来た人の行列ですか。。。平日の真っ昼間ですが。シンジラレナーイ気持ち一杯でチケット売り場のおねぇちゃんに「いつも平日でもこんなに並んでいるんですか?」と聞いたところ、昨日から急に爆発的に増えたとのこと。なんかのマスコミに紹介でもされたのでしょうか? (後にブルータスの仕業だと判明)でもどんなに混んでいても並ばないわけにはまいりません。なんせネ申だから。 でチケットを購入し、列の最後へ。超巨大たけしゃんにたどり着くまで1時間弱。並んで1時間後くらいには当日券完売。あなたが最後に帰る場所はどこですか?並ぶこと1時間40分。ついに入り口へ。すでに足腰がガクガクブルブル。でもそんなのカンケーネー!入り口の絵ですでにドキドキ。まず入った一発目の巨大な水墨画で度肝を抜かれる。思わずしばらく絵の前で立ち尽くす。ぶわっと立つ鳥肌。高鳴る鼓動。こみ上げる何か。もうこれは理屈じゃない。感動という言葉はあまりにも安っぽいけど、この言葉しか見つからない。てゆーか、言葉など無用。至福の2時間。ほんとうに贅沢な時間だった。誇張抜きで、井上先生と同じ時代に生まれたことを感謝した。展覧会で涙しそうになったのはほんとに初めて。ひとりだったら間違いなく号泣してた。幸いにして観客多数だったからなんとかこらえられたけど。でも、何度かマジでヤバイ瞬間がたくさんあった。なぜなら絵が生きているから。そして、テーマが生と死だから。生まれるということと死ぬということ。人はどこからきてどこへいくのか。それを絵で表現できる漫画家は井上雄彦をおいてほかにはいない。否、もう彼のことを漫画家といっていいのかすら疑問。絵師・画家・芸術家……。どれも当てはまるけど、どれもしっくりこない。そういう枠をとっくの昔に超えてしまっている存在なのだろう。井上先生の作品のすごさはキャラクターが生きているということ。キャラクターに命を吹き込むことにかけては間違いなく世界一。花道は、武蔵は、清春は確かに生きている。血の通った存在感。彼らの命の躍動は本物だ。それが原画となるとその存在感はより圧倒的な力をもって迫ってくる。胤舜が、おつうが、無二斎が、小次郎が、2次元なのに、3次元で生きている人よりも生き生きと生きている。やっぱ井上先生の原画、すげえ。圧倒的。絵、そのものが、生きている。一枚の絵の前で何度時を忘れて立ち止まったことか。そして、井上雄彦は、なぜここまで登場人物に命を吹き込むことができるのか、という長年の謎もこの展覧会で解けた。なぜなら、井上雄彦は本当に彼らを生んでいるからだ。生きているものとして扱っているからだ。そしてその死すらも・・・。これ以上は何も言うまい。実際に足を運んで、見て、感じてほしい。でも行く前に、『バガボンド』を全巻読むことを超おすすめする。じゃないと感動の中身が半減するから。絵だけでももちろん感動できるけど、どうせなら。終盤の「命」。これで泣かないヤツは人間じゃないだろマジで。あああああ~~~もうなんて書いても陳腐陳腐陳腐!本物の前で言葉は無力だ。最後のブースを出たとき、まさに放心状態。すげえものを見た。俺の中から出てきたのはそれだけだった。人が一番魂を揺さぶられるのは、未知のものに触れたときではないだろうか。これまで見たことのないものを見たときの感動がそこにはあった。夢のような一時間半。出た後の演出もにくかった。最後は販売ブースで以下の逸品たちを購入・いのうえの 三日月編(「最後のマンガ展」図録・解説付き写真集)2,800円・Tシャツ:5,800円・Tシャツ:5,040円・DVD:2,850円・ポストカードセット:450円×2・ブルータス井上雄彦特集号:590円(今回の激混みはこいつのせいだった模様)やっぱりネ申は間違いなくネ申でした。終わりまでにもう一回行きたい。