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「Cast off ~小さな君のその手を抱きしめるために~」

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2007.12.12
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カテゴリ:思いつき・・・

彼女は目立たない存在だった

自分を強く主張することもなく

周りに埋もれがちなおとなしい少女

そんな印象しか抱いていなかった

 


ただ・・

透き通るような白い素肌の持ち主で

15歳にしては大人びた胸の大きさを持っていた

 


デート当日

車で待ち合わせ場所に向かう

車中で・・・

デートなのに

浮かれる千蔵がいない

やはり気が重い

 


卒業したら先生ではない

そう言った言葉に嘘はなかった

ただ・・・

デートをする関係になるなんて予想外の展開

教え子の心を読み切れなかったと・・・

少なからず後悔していた

先生と呼ばれて2度目の卒業生だった

 


デートは可もなく不可もなく

淡々と時間が過ぎていく

嬉しそうに振る舞う彼女の笑顔にいたたまれない気持ちになる

彼女は知っていた

千蔵に彼女がいることを

それでもこの後で告げられる言葉を想像しない訳にいかなかった

 


デートの終わりを彼女に告げた

まだ太陽は空にあり

15歳の彼女を明るいうちに送り届けたかった

『今日はありがとうね』

感謝の気持ちは嘘ではなかった

確かに2人を取り囲む状況を考えたなら

気が重くないと言えば嘘になるが

彼女の笑顔がそれを時折忘れさせていてくれたもの事実・・・

よい子だな・・・

でも・・・

つい最近まで先生と教え子・・・

千蔵には付き合っている女性がいる

 


彼女が車から降りる時間はもう目の前・・・

予想通りの展開になった

大きな目で千蔵を見つめ

「千蔵君に彼女がいるのは知っている」

『うん・・・』

小さく頷くしかなかった

「2番目でもいいから私を彼女にして」

大人しいと思っていた15歳の少女に告白された






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Last updated  2007.12.12 22:40:44
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