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カテゴリ:読書とアート
初日の出を見た。
何年ぶりのことだろうか。 北海道の雪原野にのぼる大きな光り輝く赤い太陽は 美しくて壮大で・・・ 二日酔いの頭へ容赦ない光線をふりそそぐ。 おとそが迎え酒になって気分すっきり・・という お正月は、まったくもって私の人生にはなかった。 あたたかい太陽の光を浴びながら、午前・午後と読書に 没頭する。 今日読んでいたのは、「羊をめぐる冒険」を読み終わり、 なんども読み返して満足したあと、 三浦綾子著「ひつじが丘」に入った。4時間ほどで熟読完了。 その後、ずっと興味をもってきた北海道・東北の民族的な歴史 について書かれた本をとばしよみする。 「ひつじが丘」は、「氷点」を超える小説だと言われているらしいが、 私はまだ「氷点」を読んでいないので、どう超えたてるのかはわからない。 ただ、この小説は非常に読み応えがあって、また読みやすくて、 登場人物の顔やしぐさが浮かんでくるような圧倒的な存在感まであった。 内容は、つまりは三角関係が5つもあるのだ。ひとつの小説に。 この小説の終盤に夏目漱石の「三四郎」について触れるところがある。 私はこのテーマなら、と即座に漱石の「虞美人草」「こころ」を思い出した。 今はこの小説にあるような枷が、 なくなった世界になってしまったのだろうか?と思いながら、 この作家の、巧みなストーリーテーリングに賛嘆する。 枷をうまく使いながら、 女から見た、男のいろんな弱さやずるさを いろんな角度から切り取っては読者に差し出していく。 その手際に躊躇がない。この小説には贅肉がない。 あるとすれば、小説の最初の教室での合唱シーンだけだ。 それにしても「ひつじ」が続いた。 明日もひなたで読書三昧のお正月をすごす予定。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.01.02 01:41:48
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