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テーマ:今日の出来事(292625)
カテゴリ:最近の出来事
佐賀県平坦部の浸水被害が甚大
2019年8月27日から北部九州を中心に記録的な豪雨が続いた。また、気象庁では正式な命名がないということだが、被害は佐賀県の平坦部において住居の浸水が集中した。 8月28日5時50分、気象庁は佐賀県(全域)と福岡県と長崎県の一部に大雨特別警報を発表した。九州地方北部に停滞した秋雨前線が南下と北上を繰り返し「線状降水帯」が形成され、これに太平洋高気圧とフィリピン付近で発生した台風による暖かい風が吹き込んだのが原因だという。 一時は避難勧告が佐賀県を中心に87万人に出された。それは、記録的な豪雨による土砂崩れを想定したものであった。しかし、土砂崩れは一部の道路では発生したが、おもな被害は数か所の川の氾濫と降水が排水できずに低地にたまって起きた住居の床下・床上浸水だった。 「佐賀県北部、松浦川の状況」 写真の鉄橋はJR唐津線(左側が唐津、下流方面)、鉄橋の向こう側は国道203号線。厳木川と、伊万里を源流とする松浦川本流が合流するこの地点の水面は標高が6mしかない。この地はいわば遊水地帯だったのだが、河川改修によって氾濫はなくなり、この日も水位は徐々に下がった。この日の唐津での干潮時間が14時7分で、干潮に向かう時間帯だったことも幸いした。 「JR筑肥線の西相知駅前の道路冠水」 上の道は実家に向かう県道38号線であるが、ものすごい勢いで雨が続くので気になって電話したら、実家の庭先まで1mぐらいのところで水位は下がってきたという。川の氾濫ではなく降った雨水(内水)だという。念のため自動車は水位が上がる前に高台の家に避難させたという。 被害が大きかったのは武雄市や江北町といった、昔でいうと長崎街道沿いの地域である。佐賀平野(筑紫平野の西側)はもともと平坦なうえに標高が低い。佐賀平野にはクリークと呼ばれる自然の水路が張り巡らされていたが、開発によってだんだん減少し、降雨の際の水の逃げ場が亡くなったのも原因である。 8月3日現在の人的被害は、死亡3名、行方不明1名である。浸水の状況は、床上浸水が535棟で床下浸水は1,179棟にのぼっている。雨は29日からは断続的に降る程度となって落ち着いてきた。いったん水にぬれた家財は捨てるしかない。津波のように家自体が破壊されることはないが、大量のがれきが発生するのは津波被害と同じだ。 また、今回の豪雨では鉄工所から大量の油が流出したことも問題となっている。油が流れると農作物や家屋の復旧には時間がかかる。被災地が一日でも早く復旧することを祈りたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019/09/05 04:02:36 PM
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