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カテゴリ:最近の出来事
美術作品における超写実とは 今日は県立美術館で開催中の「超写実展」を観に行った。日本の「ホキ美術館」とバルセロナの「ヨーロッパ近代美術館」の作品、計113点が展示してあった。 「入口の看板」 (日本の美術展はほとんど撮影禁止なので、被写体はこんなものしかない、と思った) 「写実」とは実を写すと書く。美術の分野で「写実主義」というと19世紀のフランスの画家クールベを思い出す。美術の教科書に「石を割る人夫」が載っていたと思う。彼は、貴婦人の肖像画や宗教画中心のロマン派に対し、日常の生活や現実を表現した。 現代の写実画はどう変わったか。特にデジタル写真全盛の今、写実画を描くことに画家たちはどんな思いを込めているのか。 「小木曽(おぎそ)誠、森へ還る」 (展示されている作品の中で、2点だけ撮影が許可されていた) 撮った写真を使ってSNSでPRしてほしいと掲示してあった。でも限定された2点だけなら意味はない。誰でも、自分が気に入った作品をアップロードしたいのだ。 「森へ還る」の作者」尾木曽誠さんは「同じ写実絵画でも、スペインでは人間を主体に描き人間に深く入り込む一方、日本では人間とそれを取り巻く風景とのコントラストを強調する傾向がある。」と言っている。 <引用https://saga.keizai.biz/headline/720/> 自分の興味は、どこまで写実的かというより、「構図はどうか、光の扱い方はどうか」という点であった。しかし、あまり印象に残る作品はなかった。 製作時間は絵画のほうがはるかに多いだろう。しかし、同じ「被写体」を同じサイズで表現するなら、自分にとってインパクトがあるのは絵画より写真のほうだろう。 「題名不詳」 (撮影が許可された2点のうちのもう一点、これはスペインの作家の作品) 写真はレンズという単眼で見たもので、絵画は複眼で見たものという違いはある。でも三次元の対象物を二次元に表現するという点では、そこに大きな違いはない。 それよりも大きな違いは画角である。絵画はほぼ人間の視覚で表現する。人間の普通の画角(視野といってもいい)は、35㎜版のレンズの焦点距離で50㎜から80㎜である。しかし写真は写真では広角16㎜ぐらいから300㎜ぐらいまでを使い分ける。 つまり写真は使うレンズの画角によってパースが違ってくる。パースとはパースペクティブ(perspective)の略で、単純に訳したら「遠近法」、「遠近画法」となるが、要するに広角レンズと望遠レンズで撮った写真は明らかに背景が違ってくる。また、レンズの焦点距離や絞りによって背景のぼけ方も違って見せることができる。 写真を撮る場合には被写体や表現意図によってレンズを交換する。レンズの画角の違いを活用することで、写真の方が絵画よりインパクトのある表現ができると思う。 ↓ランキングに参加しています。よかったら下のアイコンをクリックしてください。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019/12/26 02:52:39 PM
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