|
テーマ:デジカメ(526)
カテゴリ:カメラと写真
デジカメの高機能化で退化したのは・・・
このブログに掲載可能なサイズでは、この機材の性能を100%活かしているか判らない。パソコンで見た限りでは良く撮れていると思っていても、プリントしてみればいろいろな点で問題点が見つかるものだ。 今回のスズメの写真は作品的な要素は無い。ただ単に、庭に飛んで来たスズメを、前回と同じ超望遠レンズで撮っただけだ。 ※OM-D E-M1、300mm F4.0、手持ち撮影 1995年、カシオ計算機(カシオ)はデジタルカメラ「QV-10」を発売した。定価6万5千円で、デジカメを認知させるきっかけとなる画期的な製品だった。デジカメは撮影画像をその場で確認できパソコンに保存できる。1995年は、Windows 95が登場し、パソコンが普及し始めた時期だったためデジカメの普及も進んだ。 キャノン、ニコン、ミノルタなどのカメラ会社もデジカメの開発を進め、2002年にはデジカメがフィルムカメラの販売台数を抜いた。自分は、中学時代からフィルムカメラを使っていて、しばらくはフィルムとデジタル併用だった。最初に買ったデジタル一眼カメラは、キャノンが2007年に発売したEOS 40Dで、センサーは22.2×14.8 mmのAPS-Cサイズだった。現在の高級機の主流であるフルサイズ(36×24mm)機ではなかった。 2013年、ソニーがコニカミノルタの技術を基に、世界初のフルサイズミラーレスカメラ「α7」を発売した。ミラーに映る画像をファインダーで確認して撮影する「一眼レフ」ではなく、受光センサーが出力するデジタル画像を確認して撮影するので「ミラーレス」という。その後、他のメーカーもミラーレス化を進めた。 2010年代後半よりデジカメはミラーレス一眼が主流となり、ついに2020年にミラーレス一眼がデジタル一眼レフの販売台数を抜いた。ソニーはいち早くミラーレス一眼デジカメの開発に取り組み、カメラ本体とレンズの小型化を進めた。現在はニコンを抜き、キャノンに次ぐ国内2位の生産高となっている。 こうしてカメラは光学機器ではなくなり完全な電子機器となった。デジカメは便利でフィルムを消費しないために省資源化にもつながる。しかし、高級機は特に多機能化が進んでいて、メニューの内容すら理解できない場合がある。そのため、簡単に撮れるスマホカメラの利用も進んでいる。 「富士登山、1979年」 (この頃、カラーフィルムも一般化もしていたがモノクロも併用していた) 自分はモノクロフィルムの場合は自分で現像し、焼き付けまでしていた時期がある。カラーの場合はカメラ店に現像に出すことになるが、出来上がるまでの1週間ぐらいの期待と不安がまた楽しみでもあった。 デジカメとなって技術革新が急速に進み、早い場合は発売から2年後ぐらいには後継機が出る。高い金を出して買ったカメラが急に陳腐なものに見えてくる。テクノロジーの進歩は、人間の創意や工夫にブレーキをかけ、ホモ・サピエンスを退化させようとしているかもしれない。デジタル化は写真の楽しみを奪っている面も多い。 前回のカラスも写真も今回のスズメの写真も、別に何の変哲もない。だけど、テクノロジーの進化した時代を生きる現代人は、何でもきれいに見えることを当たり前と考えてしまっている。人の見る力(=感性)が退化してはいないだろうか。 「神奈川沖浪裏」 (大波と小舟、富士山の配置、構図が素晴らしい、写真なら超広角レンズの世界) 江戸末期、葛飾北斎は『富嶽三十六景』の中の「神奈川沖浪裏」で、砕ける寸前の波頭をまるでカメラで撮ったかのように描いた。手前に大波にのまれようとしている三艘の小舟を配置し、その向こうに富士山を描いている。 葛飾北斎が感じて表現した多くの作品、そこには北斎自身の感受性と表現技法が込められている。江戸期以前の芸術家から学ぶことはたくさんある。 ↓ランキングに参加しています。クリックをお願いします。 写真日記ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023/04/13 06:44:29 PM
コメント(0) | コメントを書く
[カメラと写真] カテゴリの最新記事
|