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カテゴリ:最近の出来事
どん底の生活で投げやりの主人公を演じる
「二十四の瞳」では、高峰秀子は新任の大石先生役を明るく快活に演じている。これは高峰作品の代表作の一つとしてよく挙げられる。 「浮き雲」の舞台は1943年のベトナム。農林省のタイピストとして赴任したゆき子(高峰)は同僚の富岡(森雅之)と不倫関係となる。妻との離婚を約束し富岡は帰国するが、帰国したゆき子は、富岡が妻と別れていなかった事を知る。 ここから、ゆき子の転落が始まる。米兵の情婦となったり、再会した富岡とよりを戻したり、波乱万丈の愛憎劇が展開する。 「浮き雲のワンシーン」 (当時としては思い切った入浴シーン、設定は伊香保温泉) NHK BS より 林芙美子の「放浪記」は、林自らの日記をもとした自伝的小説で、1928年から1930年にかけて発表された。書き出しは「私は宿命的な放浪者である。私は古里を持たない…したがって旅が古里であった」。木賃宿に泊まり細々と行商を続ける少女期から始まり、絶望的に貧しいなりわいが描かれる。 森光子が演じる舞台劇「放浪記」は菊田和夫の脚本で1961年から始まった。初回で8カ月のロングランという大ヒットとなった。2009年、森は89歳の誕生日で2000回(最終的な上演回数は2017回)という記録的な上演をこなした。 森の「放浪記」は大人気となり、彼女の代表作となった。高峰は舞台と同じ菊田和夫の脚本で映画「放浪記」で主役を演じることになった。4歳上の森を意識し、やや肩に力の入った演技になりがちだったという。 「放浪記のワンシーン」 (恋愛遍歴を重ねる主人公は、林芙美子の生き様とも重なる) NHK BS より この「浮き雲(1955年)」、「放浪記(1962年)」は限りなく暗い。特に「放浪記」は貧しい底辺に生きる役柄なのでことさらに暗い。でもこの暗さの中に、高峰自身が持っていた天性の明るさ、天衣無縫な奔放さが垣間見える。 今年は高峰秀子の生誕100周年にあたる。それを記念して映画上映会などが開催されている。NHK BSで「浮き雲」と「放浪記」が放映されたのも、記念プロジェクトの一環だった。 映画上映会は全国の主要都市で行なわれているが九州での上映はない。レンタルで見るしかないようである。高峰秀子の映画は300本以上になるという。そのうち何本レンタルされているか知らないが、時間を見つけて観たい。 ↓ランキングに参加しています。良かったらクリックしてください。 写真日記ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/11/01 04:38:50 PM
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