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カテゴリ:歌舞伎
なんて切ない!
これが昼の部の第一声。 「陣門・組打」の熊谷直実(團十郎)と小次郎(藤十郎)の親子愛が切なくて切なくて。 これまでは「熊谷陣屋」を見ることが多くて、母・相模の子を思う気持ちに涙でしたが、やっぱり“悲劇の現場”は胸が痛みます。 可愛いらしい遠見のあと、熊谷と敦盛(実は小次郎)が陸に上がって組み伏せる場面。 熊谷が敦盛の刀を拭って鞘に収めてやるのとか、鎧の塵を払ってやるのとか、もう、普通のお父さんですもねぇ。 敦盛が「早く首を取れ」と熊谷を見上げるさまも、健気な子供の顔ですし。。。 (藤十郎さんが、これまた、子供の顔してるんだよなぁ) 後の段を知っているせいもあるでしょうが、敦盛を討った瞬間に熊谷は出家を決意し、同時に、現世との繋がりも断ち切ったように見えました。 自分の子供の首を落とすなんて、普通の精神状態じゃできませんもん。 そして、この場面では熊谷直実は“三人の父親”みたい。 すなわち、小次郎・敦盛・玉織姫。 玉織姫も敦盛の許婚ですから歳は近いはず、そんな若者3人の不遇な行く末に、父親としての熊谷の悲痛な思いが伝わってきました。 いやー、久しぶりに「歌舞伎を見た」って思った濃厚な一幕でしたよ~。 これとは対象的でまたよかったのが「女伊達」! 切ないお話の後だっただけに、「おとわや」の傘がくるくる回るのが楽しかった~! 秀調さんって、普段はあんまり男伊達みたいなお役をやるイメージがなかったのですが、今日は格好よかったなぁ。 意外に(失礼!)踊りが上手、と思ったら三津五郎さんと従兄弟か~。(納得) 文句なしに拍手でした。 昼の部の3階席は空席が目立ってましたねぇ。 あ~もったいない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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