久々に潤いました。(新秋九月大歌舞伎(夜の部))
毎日の午前様が祟ってか、ここんとこ何にもやる気がしませんで。歌舞伎も見に行く気になれず、秀山祭も行く予定がなく、休みは昼寝ばっかり。だけど昨日は久々新橋演舞場へ行きました。腰は重かったのですが、2ヶ月前にチケットを取っていたので(しかも1階席2列目!)無駄にするのは惜しいと思って出かけたわけです。『加賀見山旧錦絵』は初めての演目。「通しか~長いな~」くらいのネガティブさ。本当にどうしちゃったんだろう。。。なんて思っていたら、あらま、面白いじゃない!「女の忠臣蔵」ってくらいなので、忠臣蔵好きの私にはもってこいの演目。尾上の品格、岩藤の憎々しさ、お初の利発さ、三者三様でよい役ですね。個人的には亀治郎さん(今回は敢えて「亀ちゃん」と呼びたい!)が「晴信様」以後のヒット。“亀ちゃん”のお初、なんて可愛いの!黄八丈姿で飛び込んで来ちゃった様子なんて、恥じ入ってながらも「やってやるわ!」的な挑戦的で、尾上を守ろうとする感じがとてもよかったです。その可愛らしさと、岩藤への仕返しに燃える強さのギャップがナイス。講座の先生がおっしゃっていましたが、お初のような役は、亀治郎という人そのものなんじゃないかと。頭脳明晰で気遣いができて、ほんのちょっと生意気な感じ(笑)で。確かにその通りかもしれませんね。何年か前に見た『櫓のお七』をもそんな役でした。私はこういう娘役の“亀ちゃん”が好きだなぁ。次の『かさね』は腰元役。もちろんぴったりハマってるんですが、二幕続くとちょっと感動は半減しちゃってもったいないかな?時蔵さんはさすがの品格、海老蔵さんはあの大きな目が「憎らしさ」を通り越してもう荒事の世界。これぞ市川宗家!最近の無感動生活に、ちょっとした潤いの時間でした。やっぱりここに戻ってきたか~。