亀治郎の会
「第五回 亀治郎の会」へ行ってきました。5月に見た亀治郎さんのお七にあまりに感動してしまい、彼の舞台を見たいとずっと思ってたんです。演目は「奥州安達原 環宮明御殿の場」と「天下る傾城」の2つでした。「奥州安達原」は2時間という大作。でも時間なんて全然気にならなかった。そのくらい見入ってしまいました。袖萩役の亀治郎さんは、まさに「お母さん」。盲目の袖萩とその子お君が、勘当された我が家の庭木戸の前で両親(祖父母)と再会の場面。両親にとって孫となるお君に、せめて一言だけでも言葉をかけてほしいと袖萩は懇願します。熱演なのはもちろんですが、亀治郎さんは母親の顔でした。(男なのに、すごい)桂中納言(実は安倍貞任)との2役で、こちらの役も迫力満天。この演目では、浄瑠璃が竹本葵太夫さんだったのですが、歌舞伎を見始めて、初めて「浄瑠璃」そのものを聞きました。今まではBGM程度にしか感じてなかったもんなぁ。。。「天下る傾城」は九変化舞踏。九変化のうち、手踊りのような箇所があったかと思うのですが、そこで一瞬上手側に送った流し目が、妙に印象的でした。九変化あるのか数えていましたが、一つ分からず。。。この会の目的は「物語で感動していただくこと」とパンフにありましたが、目的は十分果たされていると、歌舞伎初心者ながらに思うわけです。そう、パンフ。120ページに及ぶ見応え満載のパンフレットです。これで¥1,500は安い。この公演を見て、市川亀治郎という役者の目指すものは、遥か遥か天上なんだと実感。上手・下手という評価を越えたところの世界で、今後も演じ続けていくんだろうなぁと思いました。いや、すごい方です。観劇歴9ヶ月の素人でさえもそう思うんだもの!