|
テーマ:海外生活(7771)
カテゴリ:思ったこと
*今日の日記もまたちょっと長目になってしまいました*
海外に住んでいると、日本の良いところも沢山見える反面、悪いところも沢山見えるようになる。 自分が前々から「日本の悪いところ」のひとつとして考えていた事が、 最近日本のメディアなんかでも取り上げられている。 それは日本の「安全対策」に対する認識。 最近起こった悲惨なプール事故。 その事故の後、使用を中止した公立学校や公営のプールが全国で8日現在で691ヶ所にのぼるらしい。(毎日新聞より) さらにその後の調査で、吸水口や排水口にふたが固定されてないプールが全国で305ヶ所、 吸排水管に吸い込み防止金具が設置されてないプールは1596ヶ所にものぼる事も分かったらしい。(毎日新聞より) この数字を見て、なんだか愕然としてしまった。 事故後に使用を中止したプールが約700ヶ所??? 人が1人死ぬまで、それらのプールが危険性の高いプールだってこと分からなかったの? それ以前に点検しなかったの? どうして人が1人死ぬまで分からないの???? そもそも、小さな子供たちが遊ぶ学校や公営のプールという場所で、 これほど安全管理が杜撰なのにも呆れるけど、 そんな危険性の高いプールを営業させている自治体や政府、 そして安全管理をきちんと行うためのシステムの甘さに呆れてしまう。 日本の「安全管理の認識の低さ」を感じたのは、これが初めてではない。 カナダは日本に比べると何でもいい加減な事が多いけど、でも安全管理という面ではしっかりしていると思う。 それを確認した良い例が私の身近にある。 「抗がん剤の調製」。 抗がん剤はがん細胞をやっつけるための薬だけど、薬自体は「がん細胞」と「通常の細胞」を区別する事が出来ない。つまり、健康な細胞までも殺してしまう薬だ。 だからがん患者さん以外にとっては「危険物」になる。 カナダでの抗がん剤の取り扱いはとっても厳しい。 本当に「そんなに危険なの?」と言いたくなるくらい、慎重に慎重に取り扱われる。 私たちが液体の抗がん剤を調製するときは、2重の扉で仕切られている部屋に入らないといけないし、その部屋のなかでさらに「安全キャビネット」と呼ばれるものの中でしか調製できない。 調製する人は、スクラブと言われるパジャマみたいな服の上に、くるぶしまである防水性のガウンを着、手術なんかに使うピチピチの手袋を必ず2枚以上はめなくてはならず、靴の上には靴カバーを履き、目の下までくる大きなマスクをはめて頭にはネットをかぶって調整室に入る。 調整室の外でまだ開ける前の抗がん剤を取り扱うときも、必ず手袋をはめないといけない。 さらに「安全キャビネット」を清掃するときは、キャビネット内の空気中に抗がん剤の成分が飛んでるかもしれないので、さらに強力な(?)窒息してしまいそうなマスクをはめる事が義務付けられている。 とにかく、とってもとっても厳しいのだ。 でも、私のページにリンクを貼らせてもらってる、日本の薬剤師のtomさんの話によれば、 日本では多くの病院で、抗がん剤も看護師がナースステーションで普通に調製しているらしい これは、カナダの薬剤師たちが聞いたら腰を抜かすと思う。マジで。 カナダの看護師たちだったら、病院を相手に(=病院を管理してる国を相手に)訴えてるかもしれない。 プール事故から話はそれたけど、さっきも書いたように日本は安全管理に対する認識が甘いと思う。 「知らぬが仏」では済まされない事だって沢山ある。 今回のプール事故のように、人が死んでからでは遅すぎる。 それから腰をあげたって、亡くなった人は帰ってこないのだから。 日本の政府や自治体はもっと真剣に安全管理徹底について考えて欲しい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|