灰色の空のむこうには…

「でも人類が宇宙人に会えないのは仕方がない
　んです」
「おれが一番最初に宇宙人に会うからですよ」
「おれが会ってないんだから、他のやつが会える
　わけがない」

実に今回の物語は、エレファントどころかエレガント
で素晴らしい物語でした。

以前にも感想で書きましたが、今回のこの物語は原作
の中でも僕の中で好きな作品の１つでしたから、その
ときの感動を壊さないでドラマ化されるか心配でした
が、海賊さんの夢を語る姿と探偵同好会のモルダーの
素直な気持ちが表現されていて、とても良かったと
思います。


ふらっと街に現れた海賊さんの宝探しに付き合うこと
になったモルダーと、その話を聞いた探偵同好会の面々
に水原可奈。

海賊さんは意気揚々とあるビルの中にある会社の金庫
を盗もうとするのですが、みんなは怖気づいて何も
取らずに帰ってしまい、後日海賊さんのところに行く
とその盗まなかったはずの金庫があったのでした。

１人で重い金庫を運べるわけがないと、その金庫が本物
かどうかを調べに会社に行くと金庫はなくなっており、
盗まれた会社の社長は海賊さんの悪ふざけに付き合い
きれないと言って相手にしないのでした。

どうやって盗んだのか、また盗んだ動機は何だったのか、
困った面々は燈馬くんに助けを求め、海賊さんの正体
を見抜いた燈馬くんは黒板に数式を書き出すと海賊さん
はすらすらと数式で返答していく、というストーリー。


海賊さんの生き方というか、夢を追いながらも破れつつ
も声高らかに堂々と生きるその姿に感銘を受けました。

そして、そんな海賊さんという人間を知り尽くした社長
の大人の対応は、なかなかいい味を出していたんじゃ
ないかと思います。

結果として、海賊さんにはエレファントなことになって
しまいましたが、去り際海賊さんが語った言葉がなぜか
心に響いてしまい、とても勇気付けられる印象的なもの
でした。


「道は自分で選べ。
　信じたものは信じ抜け。
　そしたら文句なしの人生だ！」