「必殺仕事人2014 」…
やるほうもやられるほうも、所詮そういう類だということ今回のスペシャルドラマを見て、僕の正直な感想を言わせていただくとすれば、傑作に成り損なった佳作という印象でした。今までも必殺シリーズは見てきましたが、僕が見てきた中で一番練り上げられた状況ではないかと思える仇討ち屋、それも幕府公認となり裏稼業が表稼業となった世界での連綿と続く恨みの晴らし合い。これほどカオスな状況はなく、それを画策した老中の思惑どおり臭いものには臭いもので蓋をするその手腕はこれまでの発想にはなく、仕事人たちもその仇討ち屋たちとの戦いに巻き込まれれば、どうクライマックスを迎えるのかとドキドキしたのですが…。収束は突然で、老中の暴走による仕事人による始末となり、ここまで大きく風呂敷を広げたのに最後は巾着で収めたエンディングにはどうにも納得いかず。一度ネタとして取り上げてしまった以上、この切り口からのアプローチでは新作を作れなくなったと思うと、もったいなくて仕方のない作品でした。