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灰色の空のむこうには…

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2009.03.12
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カテゴリ:テレビの話
もしももっと早く出発していたら、わたしは
そのフライトに間に合っていただろうに


この英語の例文は、仮定法過去完了とかいうもの
だそうですが、そんな難しい構文のやつってあった
っけ?とか思いながら冒頭のやり取りを見てました。

最終回の予告で燈馬くんがアメリカに帰るという
ことが告知されていたので、この例文が何気なく
意味深なものに思えたのですが…。


燈馬くんがアメリカに帰る…、可奈がそれを聞いた
のは3学期も終わりになる頃で、まだまだお祭りの
ような毎日が続くと思っていたのですが、自分には
燈馬くんを止める権利がないとアメリカ帰りのこと
は何も言えずに落ち込みます。

ちょうど春休みに学校で行われる模擬裁判に燈馬くん
が裁判員として代表に選ばれ、可奈も裁判員に立候補
し燈馬くんと同じ結論を出すことが出来ればアメリカ
に帰るのを止める権利がもらえると願掛けをしてその
模擬裁判に臨むというものです。


今回のエピソードの事件もなかなか奥の深い骨太な
ものでして、原作を読んだときにこれで裁判員制度の
大まかな内容がわかるというものでした。

実際、この原作を読み終えた後にちょうど裁判員制度
の導入に際しての本格的な解説などがメディアでなさ
れていたのですが、この事件からもわかるように人を
裁くというのはとても難しいと思います。

無罪推定の原則、検察が有罪を証明、合法的疑いを
挟まぬ証明は認められるという3つのルールに基づ
いて、原則として被告人を無罪と思って裁判に臨む
のは、どうしても人間の感情があるので有罪・無罪
の天秤はその事件の大きさと第一印象で決まるものが
あると思うのですが、そんな僕らもいつかは公権力で
人を裁く日が来るときに備えての事件にしては、なか
なか難しい事件だったと思います。

最後の燈馬くんが語った、

立証責任は全て検察だけにあります。
裁判官及び裁判員は提出された証拠のみで
判断する。
裁判の鉄則です。


という言葉が重く響きました。

このドラマでの燈馬くんは結構普通の人っぽいので、
熱い口調で裁判官の人にこの言葉を語っていましたが、
原作の燈馬くんはもっとクールで淡々としていたので、
そっちのほうが説得力があったように思えますが。


ようやく最終回を迎えるに当たりまして、燈馬くんと
可奈の微妙な関係が漠然とですが描かれたのは、少し
すっきりしたかなと思います。

まぁ、まだ可奈からの視点での気持ちでしかなく、
燈馬くんは相変わらずああいう性格なのでどう考えて
いるかはわからないですが、ここからが本当の意味
でのスタートになるのではないかと。

冒頭の英語の例文こそが、この2人の微妙な関係を
例えていて、もしももっと早く出会っていたら…と
考えたら、可奈ももっと素直に燈馬くんのアメリカ
行きを止めることが出来たように思えてなりません。


結局は燈馬くんは自分の意志でアメリカ行きを止め、
燈馬くんが語ったように日本にお花見をしたくて
来たのを続けるように思ったのは、これまで孤立して
いた燈馬くんも人間として成長したのではないかと。

ちなみにこのお花見というか桜で例えるエピソード
と、ラストで出てきたバスケットボールのエピソード
も原作では違う事件として別々に描かれています。

まだまだ燈馬くんと可奈が関わる事件はこれからも
続きそうですし、語られていない事件もいっぱいあり
ますので、最終回ということですがとても面白かった
シリーズだけにぜひとも続編を期待したいです。





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Last updated  2009.03.14 10:38:17
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