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灰色の空のむこうには…

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2009.03.16
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カテゴリ:テレビの話
前回から引き続き、作家の死によって不審に思う亮介
が法医学によってその疑問を明らかにしようとした回
だったのですが、とても判断の難しい物語だったと
思います。


作家の突然死に不審に思う亮介は、作家の妻の承諾を
得て解剖するのですが、死因とされた腸閉塞を見られ
ないと診断され、病気以外の原因があると判断される
のですが、それが何かまでは特定できないのでした。

一方、新しい薬の投与により作家を死なせてしまった
亮介の父親が医院長をする病院では、作家の解剖の
情報が入るのですが、動揺する新人の医師に対して
自分たちには何の落ち度もなかったと言い切り、あまつ
さえカルテまで改ざんした亮介の父親の姿が。

亮介は死因と因果関係のある抗がん剤のシスの投与が
適切な処置であったかを調べに、作家が亮介の父親の
病院に来る前の病院の担当医師に会いに行き、そこで
作家にはシスは絶対投与してはいけない薬だと告げられ
ます。

大己は作家の血中に残るモルヒネの過剰な投与量と、
亮介の父親が医療ミスを記者会見で行ったときに胸
ポケットにあった作家愛用のボールペンを見て2人の
関係を調べ、そして作家の最後の望みを亮介の父親を
交えながら亮介と作家の妻の前で語ります。


医療ミスと一言で言ってもとても判断が難しいという
のを描いた今回の話、患者の突然死に対してそれが
医療の限界であったのか、それとも過剰な医療行為で
あったのかという判断は、医師側に過失があるという
確実な証拠が必要であり、医師側が情報改ざんする
ことによって隠蔽されるというのは、医師の良心に
よってしか明らかにされないというのはとても難しい
問題だと思いました。

だからこそ、どこまでが医療行為でどこまでが医療
ミスか病院にしかわからないからこそ、病院は聖域
だと言われるのも納得であり、今回の件ではたまたま
作家が尊厳死を望むことによって引き起こされた悲劇
だったのですが、これが一般的な問題としてどちら
が正しい行為であったのかというのは疑問のある
ところです。


そういう意味では、医療ミスという足を踏み込み
にくい部分にスポットライトを当てることによって、
それが善か悪かはともかく考えさせてくれた今回の
話はとても印象的でした。

僕としては作家の妻が作家に比べるとあまりにも
若すぎたので、前回からずっと作家の妻による保険
金殺人かな?とか思ったりもしてたのですが、
そんな火曜サスペンス劇場のような展開になら
なかったのは残念だったりしたのですが、作家の
無様な姿を妻に見せたくないという気持ちや、犯罪
行為で汚名を被ることがわかっていながらも作家の
希望を受けいれた亮介の父親の覚悟は、事件性に
問われたときにいかなる判断が下されるかはわから
ないですが、勇気のある決断だったと思います。


物語の開始以来、ずっと確執のあった亮介と亮介の
父親でしたが、ラストシーンで亮介の父親が警察署
に自首しに行ったときに亮介が語った言葉、


医者として最低なことをしてしまったかもしれない、
でもオレは最高の親父だと思っている。だからこそ
オレ、親父を越えられるような人間になるから。


というものは、とても胸に響く見応えのある物語
だったと思います。





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Last updated  2009.03.21 12:35:24
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