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カテゴリ:テレビの話
たそがれを待つより先に沈む身の
せめて恨みのよすがこそ知れ 江戸の街に黒頭巾を被った無差別殺人を行う者の犯行 が相次ぐのですが、その正体は小山内儀助という三十 を過ぎても芽の出ない落ちこぼれの武士でした。 儀助の黒頭巾による事件が続く中、最近塾に通って ない儀助の行動を不審に思った母親は、使用人の乙部 と留吉に後を付けさせると偶然儀助の犯行を目撃して しまいます。 儀助の犯行を目撃したことを母親に告げた使用人たち に、母親はもう一人の使用人である喜平を黒頭巾に 仕立て上げ殺すように乙部たちに頼み、そうして始末 をつけたはずだったのですが、乙部たちは黒頭巾は まだ生きていることをネタに母親を脅し、小山内家の 財産を要求します。 儀助は儀助で母親の始末に対して治まらずに立ち去り、 すべてを失った母親はとうとう三番筋を訪れて息子を 殺すように仕事を依頼します。 今回は黒い渡辺さんばっかりが登場していて、なか なか見応えがあったと思います。 人を殺めることに疑問を持つからくり屋にしろ、仕事 の得物で真昼間から大立ち回りをした経師屋にしろ、 新旧の主人公が口を出すのは無理からぬことかなと。 ばらばらに行動はしていますが、同じ一味として誰か が捕まることで他の人間への追求は避けられないもの ですから、中村主水が語ったように一つの命で繋がって いる以上、危ない道を通らないに越したことはない ですからね。 そういう意味では、今回の仕事で経師屋が儀助だけ 仕事して、顔を見た母親をそのままにして帰ったのは とても問題の行動であり、壮絶な顔で息子の亡骸に 泣き崩れる母親を斬った渡辺さんの行動は、当然の ことだと思います。 それよりも、基本的に一話完結の仕事人にも関わらず、 ラストでヘマをしたからくり屋が何とか始末したところ を偶然出くわした渡辺さんの同心仲間である大河原さん に目撃されたシーンで引っ張ったのにはびっくりしま した。 劇中にも渡辺さんがからくり屋に、ヘマをしたらおれが ぶった斬るぜと言った矢先の出来事に、からくり屋の 視線の先には殺したのはお前かと問い詰める大河原さん よりも渡辺さんがいて、まさに一触即発のときに次回に 続くって…。 しかもその次回が4月10日とは、えらい引っ張りよう な気がしてならないのですが、冷静に考えるとそもそも この仕事人はこの春までには終了していたはずですから、 ひょっとしてストーリーの展開上2時間スペシャルの 最終回を予定していたのではないでしょうか。 それが高視聴率を獲得したために次クールにまで延長が 確定したみたいですが、ある程度のストーリーのライン があったためにこうして2時間でやるところを2話編成 に変えたのではないかなとふと思いました。 そうは思えても、見ている立場としてはそこで引っ張る のは極悪でしかなく、物語が骨太で面白かっただけに、 早く続きが見たいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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