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カテゴリ:テレビの話
リスト パガニーニ大練習曲「ラ・カンパネラ」
一応クラッシックに興味のある僕は、名曲に隠された 謎を解き明かす番組がスタートということで楽しみに 見たのですが、いきなり17回目からとはこれ如何に? と思っていましたら、BSで放送しているのを地上波 でも放送開始というものでした。 というわけで、今回の曲は天才ピアニストと呼ばれた リストによって1851年に作り上げられた名曲で、 この曲はニコロ・パガニーニのバイオリン協奏曲第2番 第3楽章のメロディーをもとに作曲されたと言われて います。 曲の題名となっている「ラ・カンパネラ」はイタリア語 で鐘のことを意味し、しつこいくらいに繰り返される レの♯と旋律が交互に打ち鳴らされるのが鐘を表して いて、鳴り響く鐘とともにキラキラとした美しさを思い 起こさせてくれるものです。 しかもこの曲にはピアノの魔術師と呼ばれたリストなら ではの超絶的なテクニックが駆使されており、同じ音を 鳴らす連打や隣の音と交互に鳴らすトリル、さらには 2オクターブにわたり交互にたたきつける跳躍という 技法がちりばめられており、より印象的に鐘の音が響き 渡らせようとする工夫がなされています。 しかし、この名曲が生まれるまでにリストは何年も時を 費やしており、1832年リスト21歳のときに書かれた 第1稿では超絶技巧のオンパレードで音の効果だけでなく 視覚効果をも取り入れたものとして生まれたのですが、 その後に1939年に第2稿として書かれた曲は第1稿 では18分にも及ぶ曲が5分に短縮されたものでした。 この第2稿に至って初めて序奏としてあの印象的な鐘の 音であるメロディが登場するのですが、その曲調はなぜか 重苦しく響くもので、同じ冒頭の始まり方とは思えない ものでした。 しかし、その秘密は第2稿と第3稿の楽譜の冒頭部分に 隠されており、第2稿では半音下げる♭が使われている のに対して第3稿では半音上げる♯が使われており、この 同じ音にも関わらず違う異名同音のトリックにより、♯ という上がり調子のキレのある音を繰り返し打ち鳴らす ことで印象的なものに仕上げたのでした。 というところで、第2稿と第3稿の違いを聞き比べて頂く ためにわざと自動演奏のリンクを選びましたが、ここで 本来の「ラ・カンパネラ」をお聴きいただきたいと思います。 ラ・カンパネラ第3稿「パガニーニによる大練習曲集」より 人の手による演奏というのは、自動演奏では表現できない 美しさというものがあるものですね。 いやはや、名曲だけでなく一応ドラマ仕立てになっている のですがそちらもなかなか見応えがあって、とても興味を 持って見ることの出来る面白い番組でした。 ぜひとも第1回から再放送をしていただきたいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.04.05 22:50:38
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