|
カテゴリ:テレビの話
人は鬼になれる
でもなぁ、鬼は人には なれねぇんだよ 前回のラストで渡辺さんの同心仲間である大河原さん に、からくり屋が仕事を終えたところを見られてしまい あわやどうなるのかというところで引っ張られたオチが、 経師屋と中村主水の機転によって事なきを得たのは少し がっかりでした。 それでも二人の後を付けていた渡辺さんが、ヘマをしたら ぶった斬るを宣言していた予告どおりに、もし大河原さん にからくり屋のことがばれてしまったら二人とも斬ろうと していたことを明かす鬼気迫るシーンはなかなか見応えが ありましたが。 前回の黒頭巾騒動はあっさりスルーされてまして、今回は からくり屋の実の母だったと名乗りを挙げる女性が現れた ことから物語は始まります。 生き別れになったからくり屋をようやく見つけることが 出来た女性お富は、からくり屋は油問屋の主人との子だと 言い、子のない油問屋に実の息子だと言って跡継ぎになれ というお富の言葉に油問屋に会いに行くのですが、お富は ひどい嘘つきだと呼び、からくり屋を跡継ぎにする気は ないと言われます。 一方、からくり屋の息子である作太郎がお富が男たちと 密談をしているところを目撃し、からくり屋を使って油 問屋を乗っ取る計画が失敗したことにより押し込み強盗 を行うことを知り、からくり屋に言うのですがなかなか 信じないからくり屋は作太郎の言葉通りに油問屋が強盗 に入られ、金品を奪われた上皆殺しになったのでした。 話の内容としてはなかなか骨太なものがあり、見応えも かなりあったのですが、いかんせん主人公がからくり屋 だったというのがいまいち共感出来なかったところだと 思います。 というのも、他の仕事人仲間と違いからくり屋にはこれと いう一貫した姿勢が欠けていまして、これまでもあっちに ふらふらこっちにふらふらしたあげく最後には流されると いうように描かれていたのですが、今回もまさにそれを 地で行くことによりどんどんと深みにはまってしまいます。 それを若さという言葉で片付けるのもありなのかもしれ ませんが、普通の青年なら全然問題ない行動でも冒頭に 書いた中村主水の言葉のように金で人殺しを請け負う鬼で あるからくり屋は人には戻ることが出来ないにも関わらず、 人を信じようとする甘さが自らを追い詰める結果になる とは、皮肉なものです。 からくり屋が大事な作太郎によってお富ら一味を仕事する ように依頼されるのですが、お富をどうするかは自分で 決めると言ったからくり屋、結局情にほだされてしまい 隙を見せてしまったことで刺されてしまいます。 お富は実は“近江の女狐”と呼ばれる詐欺師で、すでに 外道に堕ちており、からくり屋を油断させて刺したように これからもお人好しをだまして生きていくと言い捨てた ところをからくり屋が最後の力で仕事して自らも息絶える のですが…。 僕的にはどっちもどっちのような中途半端な気がしてなら ないのは、外道なら虫の息の人間に言葉を聞かすのではなく、 しっかりトドメを刺してからにすればお富もまだあと少しは 生きることが出来たものと思ったのですが。 物語の展開としては、からくり屋がお富を始末するのでは なく最後まで更正すると信じて死んでいき、そこに現れた 渡辺さんによって一閃されたほうがもっと劇的になった のではないかと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.04.19 01:47:05
コメント(0) | コメントを書く
[テレビの話] カテゴリの最新記事
|