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灰色の空のむこうには…

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2009.04.12
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カテゴリ:テレビの話
やはりその初登場以来怪しいとにらんでいた遠山が、
今回もまた暗躍しまくってくれました。


武田との和睦により、にわかに勢いを取り戻した景勝
軍のために景虎軍は裏切りや脱走が後を絶たず、景勝
からの降伏の使者の手紙の前にどうすべきか苦渋の選択
を強いられます。

景虎の側にいるのは北条と遠山だったのですが、悲観
的な発言をする遠山に対して行け行けどんどんな北条
だったのですが、神社へ戦勝祈願に立ち寄った先で何者
かに暗殺されることによって、景虎は最大の武将をなく
したことにより降伏を受け入れることに。

景勝への服従の証として、自分の息子である道満丸を
人質に春日山へと送るのですが、その道中でまたもや
何者かの手により道満丸は暗殺されてしまいます。

そして景勝による総攻撃によって御館は落城し、城から
逃げ延びた景虎だったのですが、頼みにしていた者から
も裏切られてもはや逃げられないと悟った景虎は自害を
決意するのに対して、遠山は北条へと戻ることに。

その去り際に一瞬だけ振り返ってみせた遠山の姿こそが、
景虎を利用して上杉を操ろうとした男のきな臭さが滲み
出ていたのでした。


ところでここで遠山の動きについて考察してみたいのです
が、当初の予定では景虎がこの乱に勝って跡目を継ぐこと
になったのなら問題はなかったのだと思います。

遠山の中では景虎は飼いならすことの出来る虎であって、
跡目さえ手に入れてしまえば後はどうとでもなるものだと
思っていたし、そのように北条や武田の軍も味方に付けた
のですが、そのうちの武田が手のひらを返して景勝軍と
和睦したのは誤算だったと思います。

そして、敗北色が強くなってくるにつれて自分の思い通り
に事を運びやすくするためには、景虎の側近の中で唯一の
有力な武将である北条の存在が邪魔になったのではないか
と。

北条と北条とまぁ、なんとも読み方が違うだけで同じ漢字
のややこしい武将だから斬ったというのではなく、景虎の
中において自分よりも拠り所とする武将であるからこそ
扱いにくいものであり、その探りを入れたときですら景虎
との繋がりの深さに始末をしたのではないかと。

景虎を跡目にすることで上杉を盛り立てようとする北条と、
上杉を利用しようとする遠山の思惑の違いが、この暗殺劇
を生んだものであり、さらに遠山にはその先の筋書きで
ある道満丸の暗殺も視野にあったであろうと思います。

事ここに至っては、景虎にこの乱を勝てる道理もなく、
ならば降伏で終わらせるのではなく双方を戦わすことに
よって戦による上杉の弱体化を狙ったのが最終目的だった
のはないでしょうか。


遠山が去った後の景虎の表情が、死を前にしたとはいえ、
以前の遠山出現前の穏やかな景虎の顔に戻っていたのが
とても印象的でした。






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Last updated  2009.04.12 21:53:26
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