灰色の空のむこうには…

むむ～、今回は納得というか、合点がいかないところ
がところどころ見えたのはどういうわけかなと。


まず最初に前回では明らかにされなかった信綱が襲わ
れたシーン、樋口兼続を直江兼続にする帳尻り合わせ
のために断片的だったのがどういう経緯だったのかが
繋がったのですが、信綱が斬られて倒れているという
のに誰も近づかず兼続の登場を待っていたというのは
どういうことでしょう。

ついでにいうと、一大事だと騒いで報告して回っても
医者を呼びに行った形跡がないっていうのもねぇ…、
あと信綱ともう一人を斬った毛利の処置もスルーされて
いたし。


で、時を措かずして景勝の主命により直江家を継ぐため
にお船と結婚し入り婿となる兼続なのですが、このとき
のお船の行動も直江の居城の与板城で喪に服したまま
出てこないっていうのも。

織田軍による武田・上杉包囲網が完成しつつあり、武田
軍は織田による攻撃を受けているというのに、役目が
あるからと夫婦になったとはいえ会えずにいるこの二人
の関係って…、これまでのネタ振りって何だったのかと。

兼続がうじうじと悩むのは今日に始まったことではない
し、実際のところ直江の名跡だけのために入り婿になった
ようなものなので蔑んでいると思うのは当然だと思うの
ですが、逆にお船のこれまでの行動からするとこんなとき
こそ兼続のところに行くような。

実際のところ、お船にしてみれば念願？叶ってようやく
夫婦になれたというのにこの態度って、ただのロミオと
ジュリエットがやりたかっただけなのか、逃がした魚は
大きい的に兼続にちょっかいを出してただけにしか見えず、
それにやきもきさせられた信綱が浮かばれないような。


それでもみどころもいくつかありまして、これまでずっと
登場していたにも関わらずその存在感の薄さから顔と名前
が一致しなかった上田衆のリーダー的存在である安部の
語った言葉、もし情を挟んでるのならそれはならんぞ兼続、
上に立つ者の最もしてはならんことじゃという言葉には
ジーンとさせられました、バリバリ死亡フラグ全開でした
が。

そして武田が滅んだことにより、上杉にとって何の値打ち
もないので城を追われる覚悟は出来ていると言い切る菊姫
に景勝が夫としてこれからもわしが守って参ると言った
言葉に対し、気丈な菊姫が涙ながらに今初めて妻となれた
思いがいたしますと語るシーンは、兼続とお船との関係の
対比と相まってより美しいものに思えました。