灰色の空のむこうには…

今回はこれまでの仕事人のお約束と違って、いきなり
三番筋に町娘が仕事の依頼に現れるという話。

そんないきなりの展開なのに、きっちりと仕事の依頼
内容を聞くためにお菊がスタンバっているのはさすが
だなぁと思いつつ、いつもそこで張っているのかと
いう疑問はおいておくとして。

依頼人の恨みの的は何と渡辺さんという衝撃の展開で、
７年前に寺島村に仕事で通っていた渡辺さんがそこで
茶屋をしている依頼人の姉を殺したということ。

いきなりのとんでも内容に、いとまず依頼は保留と
いうことでその事件の詳細を調べるべく、仕事人たち
は調査するのですが、こうしたいきなり展開を考える
と、これまでの先に悪役が出てきてお約束の展開って
かなりの親切なストーリーだなというのが実感できる
ものですね。


で、僕としては今まで不明だった渡辺さんの過去が
少しでも語られるのかと期待していたのですが、見事
にその予想を覆す渡辺さんの学問所の友人が出てきて、
これがまたお決まりの悪役なので過去はスルーに。

ただ、さすがは渡辺さんで７年前の調査ということで、
自宅を伺う仕立て屋の気配に気付いたりしたのはすごい
なぁと思ったりもしたのですが、どうして７年前のこと
を調べるのに今の渡辺さんを調べるのかという疑問は
置いとくとして…。

とりあえずわかったのは、渡辺さんも貧しい境遇から
成り上がったということと、７年前には同心をして
いたところからすでに結婚して入り婿になっていたと
いうこと。

そりゃ、７年間も子供がいなかったら義母であるこう
に嫌味も言われるわなと思いながらも、渡辺家の義母
と奥方は「こう」と「ふく」なので、同じ入り婿でも
中村家の「せん」と「りつ」に比べると戦慄を感じる
こともなく幸福に過ごしているんじゃないかなと。


結果としては、７年前の事件は渡辺さんの友人が義父
を殺したところを目撃した依頼人の姉が口封じに殺害
されてしまったのであり、その姉の死体と一緒に渡辺
さんにあげたお守りが出てきたための勘違いだったの
ですが、その過去を蒸し返そうとした依頼人は殺されて
しまうことに。

で、その友人らを恨みの的として仕事をすることに
なるのですが、やはりキラリと光るのは仕立て屋の
仕事シーンで、今回はしつけ糸で針を回しながらの登場
に唖然でした。

いや、その人目も憚らない堂々とした登場もさること
ながら、屋敷の外から現れるのなら納得ですが、なぜか
的の屋敷の奥から出てくるっていうのも何のために屋敷
に潜んでいたのやら。