灰色の空のむこうには…

う～ん、やっぱり与六はかわいいの～、喜平次は凛々
しいの～、と思える回でした。


今回のあれやこれやの妙案の陰にお船の機転があった
のはさておき、懐かしの上田庄に帰るところは故郷の
暖かさが画面から滲み出る感じがしてとても良かった
です。

ただの総集編じゃん！と突っ込みたくなる人もいる
かもしれませんが、かつて放送されたシーンに加えて
劇中ではこれまで語られてなかった与六と喜平次の
暴露合戦はなかなか面白かった。

その当時行動を共にしていなかったお船に語るという
形式を取ることで、視聴者をお船と同じ目線にして
新たなエピソードを追加するというのはとても自然で
素直に楽しめました。


相変わらず殿となる喜平次に対する暴言っぷりな与六
が、今の兼続とまったく結びつかないところなのです
が、与六の可愛さでそんなのオッケーです。

特筆すべきは回想シーンに現在の姿を混ぜて謙信公の
子になった景勝の新たな決意こそ、これからの上洛に
向けてターニングポイントになったシーンでもあり、
とてもわかりやすかったと思います。

お主の真心ありがたかったぞと雪の中で手合わせする
二人の姿が、子供の頃に雪合戦をしてはしゃぐ姿と
ダブったシーンはこれまでの積み重ねがあったから
こそ一際美しく見えたものでした。


そして、上洛にあたって自分の義に相応しい一字を
探す兼続なのですが、先に見つけた景勝の「義」には
ちょっと驚かされました。

あれだけ上杉の義とか何とか、これまで義という言葉
が出なかった回はなかったんじゃないかなと思える
くらいにしょっちゅう出てたにも関わらず、まだ旗印
になっていなかったのもびっくりかと。

そんな景勝の「義」に対して兼続が選んだのは「愛」
の文字で、お船の助言によって仁愛の「愛」に思いを
馳せたときにこれまで兼続に関わった人たちのこれ
までの回想シーンは、まさにこの言葉なくして今の
兼続はないとてもじーんと来てしまいました。

こうして振り返ると、今回だけを見ればこの大河ドラマ
ってなかなか感動できるものだったと新しい発見でした。


そしていざ上洛というとき、仙桃院ってまだ生きてたの？
と思わず突っ込みそうになりましたが、迷いを断ち切った
景勝に愛の兜姿の兼続。

義と愛によってこれからの新しい時代に立ち向かう上杉
の今後はどうなっていくのか、上洛後の展開がとても
期待大です。