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灰色の空のむこうには…

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2009.07.05
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カテゴリ:テレビの話
今回の主人公は兼続の弟である与七の話だったのです
が、改めて小国家へ婿養子となっていたことを今更
説明されても…。

オープニングのキャスト紹介で与七の名前が小国実頼
に変わっていたのが第20回目でして、それまでは
一切触れていなかったのに突然与七の話になるって
いうのもどうかなと。


源氏の流れを汲む小国家へと婿入りしたにも関わらず、
これといって目立った手柄を挙げてない与七に箔を
付けようと兼続が景勝の名代として秀吉の下へ初めて
のお使いを出した顛末が今回の主題だったのですが、
大河ドラマにも関わらずホームドラマを見ているような
感じを受けたのは僕だけでしょうか。

与七の手柄のなさに嘆く小国の両親と嫁であるお栄の
ちくちくとした嫌味っぷりはなかなか堂に入ったものが
あったのでそれなりに面白かったのですが、かく言う
小国の父親はこれまでノーマークな存在だっただけに
あれだけ言うからには上杉家の中でどのくらいの手柄
を立てたのかが気になるところです。

兼続も上杉家の中ではただのへタレだったのが、上方
に行くとあれだけの評価だったのに対して、目立たない
ながらもそれなりの仕事をした与七はイマイチ評価され
てないというのも複雑な話で。

和歌の才能は茶々には評価されながらも、名前の通り
小さい人間だと一言で終わらされたときには、与七も
頑張れと応援したくなりました。


官位と名前を秀吉から賜って帰ってきた与七に、キレる
兼続の気持ちもわからないでもないですが、再度上方へ
上洛した兼続が秀吉に啖呵を切ったのはいくら何でも
対比しすぎなような。

確かに官位で尻尾を振るような真似は上杉はしないとは
思うのですが、それでも諸大名との兼ね合いから上杉の
位置づけを明らかにするには官位にて序列を明らかに
しないといけないという政治的配慮がわからない兼続
でもないでしょうに。

戦国時代の武将というのは、主君に仕えるには手柄や
認められたときには褒美をもらうのが当然の儀礼であり、
秀吉の時代には戦によって新たな領地を配分出来ないが
ために官位か黄金を授けるくらいしか部下に対しての
報いる術がないにも関わらずあの態度は、義を重んじる
上杉の態度としては当然かもしれませんが僕的には
あまりいただけない態度だったかなと。

結局、秀吉の懇願によって官位をもらうことになって
いるのですが、それも秀吉の中での上杉のポジションを
諸大名に見せ付けるためには必要な儀式なわけで。


わかっちゃいるけど曲げられない義は世の中にはあると
思いますが、それをわかっていながら曲げて受けるのも
世渡りには必要なもので、そういう意味では与七のほう
がこれからのご時勢には出世するんじゃないかなと思う
のは僕だけでしょうか。

猿と狸の化かし合いがこれから激化していく中で、生き
抜くためには直球だけでは生きていくのは難しく、変化球
をも持った人物が必要なわけで、そういう意味では上杉家
の中ではまだ染まっていない与七が上方に残るのはなか
なか面白い選択だと思います。

何より、内助の功の典型的なお船と違い、徹底的に旦那を
叩き続けるお栄の存在も、これからの与七がどう立ち回る
ことが出来るか、この対比も面白いかなと。


それはそうと、今回の話を見てかなり不思議に思ったのが、
与七が上杉で初めて官位を授けられたと小国の両親たちは
喜んでいましたが、先祖代々の名字を変えてしまったこと
に関してはどういう反応をしたのか、かなり気になる年頃
です。





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Last updated  2009.07.19 18:15:39
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