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灰色の空のむこうには…

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2009.07.26
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カテゴリ:テレビの話
私も母になってみたいものじゃ


今回のMVPというか、ヒロインは文句なしに菊姫に決定
です!

この「天地人」では珍しくきっちりとその背景から心情
まで描かれたのではないでしょうか。

それくらい印象に残った美しい、というかただ一途な
思いの詰まった素晴らしいエピソードであったと思い
ます。


秀吉による国主の妻を上洛させることという命により、
菊姫を説得しようとする景勝やお船だったのですが、
取り付く島もなく拒否する菊姫。

なんじゃこのツンデレキャラは!信玄の娘だからとわが
ままを言ってるのか!と思いながら見ていると、挙句の
果てには病に臥せったということにして、意地でも上洛
を見送ろうとする様に、デレがないからただのツンツン
キャラか!と思っていたのですが、見舞いに来たお船が
産気づいて出産に立ち会う意外と元気な姿にただの口実
かと思っていました。

まぁ、国主の正妻が出産に立ち会うってのもどうかと
思ったのですが、無事次女を産んで眠るお船の横で、
生まれた子をあやす菊姫がぼそっと言った冒頭の言葉
ですべてが理解できたときには、政略結婚の道具として
上杉に差し出された菊姫でしたがこれほど深い愛情が
あるものかと驚かされてしまいました。


そんな菊姫の心の機微を知ったお船だったのですが、
菊姫の思いを知らない景勝やまだ生きていた仙桃院は
上洛を勧めるばかりで、なおも拒否しようとする菊姫
に対して景勝が主命として上洛を申し付けることで
自害を図ろうとしたところをお船が助けることにより
本当の心を語ったときには涙が出そうになりました。

曰く、子を成さないで人質として道具のように上洛
させられると、世継ぎのいない国では子を作るために
景勝は側室を持つこととなり、その側室が無事に子供
を産んだときには自分はお払い箱になると。

人質として上杉に来た菊姫でしたが、その景勝の人柄
に触れて本当に慕っているからこそ、自分の子では
なく側室の子が嫡男として育てられ、側室が大きな
顔をしてくのには耐えられないというその思いは、
戦国時代の女性の辛さを物語っているのと同時に信玄
の娘である菊姫らしい情熱と行動であったと思います。


結局、菊姫にさびしい思いをさせないと、お船が一緒
に上洛することになって一件落着となるのですが、
上洛するにあたって景勝も菊姫を思うているという
言葉に喜ぶ菊姫の顔がとても印象的でした。

とても今回の話は美談だったのですが残念なのは、
史実では上杉景勝の嫡男は菊姫の予想通り側室の子と
して産まれるのですが…。





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Last updated  2009.08.16 21:45:07
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