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灰色の空のむこうには…

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2009.10.04
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カテゴリ:テレビの話
関ヶ原の合戦が終わり、後はある意味消化試合かなと
思って見ていたのですが、意外や意外に今回は僕の中
ではかなり面白く見ることが出来ました。


上杉の今後を頼むに足る人物として兼続が選んだのは、
家康の懐刀である本多の元を訪れるのですが、そこで
兼続が見たのは景勝との因縁深き遠山の姿。

どうして史実を曲げてまで、いまだに遠山が登場して
いるのかずっと不思議だったのですが、兼続との対面
でようやく納得。

そりゃ、そもそも景虎の家臣として上杉まで行ったのは、
北条と力を合わせて乗っ取るために暗躍したのでしたが、
景勝らによって追い出された身としては上杉憎しの心
は誰よりもあるはずですから、ここでの登場はあまり
にも自然すぎました。

そして、とうとう徳川の力に上杉が屈服するかと思えば、
兼続が上杉の生き残る道としてさらなる案を差し出した
一幕は、なかなか見応えがあったかなと。


いよいよ、景勝が上洛して家康に目通りし、今後の沙汰
を申し開きする席で、兼続と並んで一歩も退かなかった
のはさすが上杉と思わせる場面でした。

これであっさり折れたのなら、これまでさんざん語って
きた義が一気にブレるところでしたが、ある意味取り
潰しの上切腹を言われても逆らえない家康に責任を詰め
られてもまだ義は我にありと言い放つその覇気こそ、
現代人が失くした気概を感じることが出来るものであった
と思います。

まぁ、そうならないようにしっかりと本多のほうに根回し
していたことについてはさすがだと思いますし、淀から
の懇願を含めて本多が兼続の案を呑むことに対して家康
が了承したのも、今後を見通しての策略と思えば、前途
多難ながらも生き残ることが出来たのには、兼続の作戦
勝ちだと思いますが。


そして会津120万石から米沢30万石へ移封された件
についても、義と愛の志では食えないが付いて来る者は
すべて面倒を見ると言った兼続の心意気もさすがだなと
思いました。

現代的に言うと、売り上げが4分の1に減った会社で
リストラもせずにみんなで減額の痛みを感じながらも
何とかやっていこうということであり、いきなりトップ
の人間からそんなことを言われても戸惑う人間のほうが
多いとは思うのですが、そのトップを信じて誰一人も
欠けることなく米沢へと向かうことになった上杉家臣団。

これまであまり目立たなかった上杉家臣団でしたが、
この一致団結とトップと同じ方向性に向くことこそが、
上杉の強さであり、これこそが今の経営陣に求められて
いる姿じゃないのかなぁと、ふと思いました。


温故知新じゃないですが、今回の話はなかなか現代社会
の教訓として見れば為になることが多かったような見所
がいくつもあって、とても楽しむことが出来ました。





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Last updated  2009.10.04 21:29:26
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