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灰色の空のむこうには…

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2009.10.11
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カテゴリ:テレビの話
会津120万石から米沢30万石に減封された上杉家
は、誰一人として欠けることのなかった6千人の家臣
たちとともに米沢入りをします。

上杉謙信の亡骸が春日山より移されており、ともに
苦難の道を歩もうとする家臣たちを勇気づけようと
した景勝の配慮だったのですが、大変なのはこれから
で、単純計算で今までの4分の1になった財政でやり
くりしようとしていくのが今回の主題。


そのための第1段として、家臣の中から開墾に加わる
ものを募るという案を兼続が出すのですが、誰も手を
挙げず結局重臣の一人である桜井が引き受けることに
なるのですが、ふと疑問に思ったのは春日山に残った
泉沢の息子のこと。

春日山から会津に藩替えになったときに、泉沢が息子
を農民として春日山に置いてきたのですが、もうこの
時代になったのならいざという手引きをするために
春日山に残した子供たちを米沢に引き上げ、一緒に
開墾に加わらせれば農民となった泉沢の息子の地位も
復活され上杉の一員として働くことが出来ると思うの
ですが。

余談ですが、この兼続の新田開墾は多いに成果を挙げ、
のちには石高30万石の米沢だったのですが、実際は
51万石にまでなるほどの成果を挙げることになった
のは、どれだけ上杉の人たちの努力があったのかを
推して知るべしだと思います。


そして、第2段としての生き残りを図る道として、
徳川重臣である本多正信の次男を婿養子として家督
を継がせるということですが、直江家を当然継ぐもの
として努力してきた竹松の反発を買うことになるの
ですが、今回大活躍だったのは兼続の父である樋口
惣右衛門。

まさしく理想の父親像ともいえるべき惣右衛門の姿
や言動には涙を誘うものがありましたが、それにしても
この1年も経たないサイクルの中でここまで年齢を
演じ分けることの出来る高島政伸氏はとても素晴らしい
俳優さんだなぁと改めて感じました。

そうしてお家のために犠牲を余儀なくされる竹松の姿
が、昔の兼続の姿と重なり合ったり、これまでの父と
して影に日向に兼続を支えてきた惣右衛門の回想は
とても今回の話にぴったりとマッチしていて、すごく
美しい話に仕上がっていたと思います。

最後に惣右衛門の娘であるお貞の祝言が決まり、何も
豪華なものがない宴の中で、惣右衛門・兼続・竹松の
3人が踊る姿はもう鉄板の勢いのあるいいシーンの
幸せの中、これまで兼続を支えてきた惣右衛門はその
後に静かに息を引き取ります。


まさに今回の話はこの兼続の父である惣右衛門のため
にあった物語として、とても見応えのある面白いもの
だった思います。

そしてラストのほうであれだけ側室を迎えるのを良し
としなかった菊姫
が、景勝に側室を持ってほしいという
振りがあったのが次回のとても気になるところです。






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Last updated  2009.10.18 18:59:59
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