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テーマ:大河ドラマ『天地人』(392)
カテゴリ:テレビの話
タイトルには「将軍誕生」とあり、実際のところ徳川
家康が征夷大将軍に任じられ江戸に幕府を開いたみたい なのですが、全然というか微塵もタイトルには関係の ない話でした。 今回のメインは景勝と菊姫の二人で、お互いがお互いを 慕い思いやるという美しい姿が印象的に描かれていた という意味では、大河ドラマなのですが人間ドラマと してとても素晴らしい物語だったと思います。 菊殿からの文じゃ、そなたに側室を持たせて ほしいと。 始まりはこの菊姫からの唐突な手紙からスタートします。 前回の日記でも書きましたが、以前の菊姫は景勝が側室 を迎えることに大反対していたのですが、それは政略 結婚として道具と扱われた戦国時代に生きた女性たちの 心の叫びとして描かれていたのでした。 そんな菊姫がまだ生きていた仙桃院にいきなり景勝に 側室を持たせてほしいと言い出したのですから、それは もうびっくりものでした。 菊と最後に会うてからもう二年となりまする。 早う会いたいと思うておりまする。話はその 折に。 と菊姫がいきなりそんなことを言い出した真意を問う べく、心中複雑な景勝は世継ぎがいないことでお家大事 と案じる仙桃院の説得にも耳も傾けず、ただ菊姫のこと を案じ答えを先伸ばしにするのでした。 つまらぬ言いがかりを恐れ、上杉家を守る 奥方様をお見捨てになることこそ武門の 名折れ。 家康から謁見を命じられた景勝と兼続は江戸に入ったの ですが、そんな大事なときに京の伏見屋敷より菊姫が 病に倒れたと聞かされ、このタイミングで京に向かう ことで謀反を疑われてしまうと迷う景勝を、兼続はぜひ とも菊姫の元に行くように説得します。 わしは養子を迎えるつもりじゃ。 伏見に向かった景勝に、会って早々いまだに側室を持た ない景勝に、武田が滅んだのは勝頼が側室の子であった ために纏まりが出来なかったことを踏まえて、上杉家も 同じ目に合わせないために何としても自分で子を産む つもりだったのがそれも叶わず、約束を果たすことが 出来ず申し訳もございませんと詫びる菊姫に対して景勝 はこう言うのでした。 その言葉を聞いて菊姫が一瞬どうしていいかわからない ような逡巡した表情をしたのがとても印象的でした。 その後に泣きながらそれはならないと何としてでも景勝 を説得しようとする菊姫の姿は痛々しいものがあり、 本当ならばそこまで景勝に想われてて幸せだと喜びたい ところなのに上杉家を守るためには自分の心を殺して までもお家第一に謙信公の血を引く景勝の子が上杉を 纏めなければ滅んでしまうという戦国時代の女性の意地 とも言える強い意志がこのシーンにはあったかと思い ます。 それでこそ、この菊が生涯お慕いしたお方に ございまする。 そんな言葉に出来ない菊姫の覚悟を悟ってか、景勝は とうとう側室を迎えることをようやく決めたことで菊姫 はこの言葉を言うのですが、この菊姫の一言にこそ政略 結婚でしかなかった上杉と武田の婚儀である菊姫の生涯 を現していたと思います。 そして、新たな年を迎え、秀頼に年賀の挨拶に行こうと する景勝のところに菊姫が亡くなったという知らせが 届けられるのですが、秀頼への一件を優先して年賀の挨拶 をするのですが、その挨拶の途中に言葉を詰まらせて涙 を堪える景勝の姿も、言葉少ない景勝ではありますが、 菊姫への思いがひしひしと伝わるものがあって、涙を誘う 素晴らしいシーンでした。 今回は地味に遠山が登場してたりしてたのですが、この 二人のシーンには敵うべくもなく、挙句の果てには兼続 にまで言い負かされそうになっていたのでスルーという ことで。 それにしても、家老となってあくまで第三者的な立場で ある兼続ではあるのですが、物語の前半ではあれだけ 泣き虫与六と言われていたのに一向に感情を露にしな かったのは成長と言うべきか、キャラ設定の変更と言う べきかは悩むところなのか微妙なところだと感じました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.10.18 22:26:37
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