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テーマ:大河ドラマ『天地人』(392)
カテゴリ:テレビの話
今回の話の主題は、兼続の弟である大国実頼が兼続の
長女であるお松と徳川家康の重臣本多正信の次男政重 との婚儀を、泉沢と挨拶に行った席で勝手に断った ことから端を発します。 まぁ、それまでも家康に対しての実頼と兼続の考え方 の違いが描かれていたりしたのですが、ここに来て いきなりの実頼の反抗というか、ご乱心はちょっと 唐突感がありすぎるような気もします。 この実頼の暴挙に対して徳川への謀反とも受け取られ かねないと榊原からネチネチと兼続は無理難題を押し つけられることになるのですが。 この一件、実頼の独断による一方的な行為と見える ものなのですが、兼続サイドからは上杉が生き残る 道のためにここまでしたこととはいえ、実頼サイド の事情から考えると、なかなか興味深いものがある ように思えます。 そもそも実頼は、上杉家臣の中でも名家である小国 家に養子となり、それにふさわしい役をということ で豊臣秀吉のいる大阪との連絡役になったという 経緯があり、そのときに交友を結んだのは当然豊臣 恩顧の大名たちで、さらには兼続の存在があったに しろ秀吉からも官位をもらうくらい可愛がられており、 いわばがっちがちの豊臣派の人間であったろうと思い ます。 今回の兼続を見る限り、上杉の向かう義はどこに あるのかはぶれてきてますが、これまでの上杉が いただく実頼の義は下手をすれば景勝よりも近く にいた豊臣家に向いているものであるのは否めない のではないでしょうか。 さらに実頼の鬱屈した気持ちを昂ぶらせたのが、 関ヶ原の戦いによって天下を獲った家康に上杉家 が冷遇されたことによって余計に徳川憎しの気分が 増したのではないかと思います。 なぜなら上杉家は戦いで家康に負けたのではなく、 戦わずして負けたことによりこのような仕打ちを 受けることになったので、戦って負けていればまだ 態度は変わっていたのでしょうが、戦わずに負けた とあれば上杉が徳川と戦って負けるわけがないと いう自信があったために家康に頭を下げる今の 上杉家の現状を余計に憂いてしまったのではない でしょうか。 そう考えると、今回の実頼の行動は兼続の行動 よりもわかりやすいものがあり、そうした実頼の 気概を感じて景勝も実頼のことを褒めたのだと 思います。 それにしても、今回すごい存在感があったのは 実頼の被害者となった本多正信でした。 いつものこういうパターンなら、榊原がしゃしゃり 出る前に遠山が暗躍するはずで、僕的にはわくわく していたのですが、今回出なかったところを見ると とうとう遠山も退場したのでしょうか? しかし、そんな榊原の行動も台詞が一言もなかった のにその表情と仕草でこの上なく雄弁に心を語った 本多正信の存在感には及びもしなかったです。 一番印象的だったのは、榊原が家康からよきにはか らえと、兼続の仕置きを一任されたときにちらっと 榊原のほうを一瞥した本多の姿だったのですが、 そのときどう考えていたのか、その胸のうちを想像 すると何だか奥深さを感じてしまいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.10.25 23:01:46
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