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テーマ:大河ドラマ『龍馬伝』(491)
カテゴリ:テレビの話
今回は明治維新を遅らせたと言われている、幕末でも有名
な事件のひとつの池田屋騒動にまで至る経緯が描かれて いたのですが、良くいえば登場人物たちの思想や主義を 超越した「龍馬伝」ならではの事ここに至るまでの経緯を 見ていて、ふと気付いたことがあります。 それは、今回の話の中でも何度も繰り返し出てきた言葉で ある「後戻り」というキーワードによって語られる、この 時代の流れの早さということです。 誰もが今を生きている中で、振り返ってみればあのときは ああだったと回想出来るのですが、現在進行形で生きて いるときはただ前だけを見ているのでそのときの情勢を 見極めるというのはとても難しいものです。 ましてや、当時は攘夷だ開国だという思想に命を賭けて いた時代ですから、その思いの強さのほどは想像もつか ないくらいで、今回の主人公である望月亀弥太の生き方 というのはその典型だったと思います。 海軍操練所で過ごす日々は平穏だけど新しい日本の海軍を 作るという充実した毎日であったかと思うのですが、それ とは対称的に攘夷を叫んでいた土佐勤皇党の面々は過酷な 現実に直面していました。 そんな中で自分だけがと悩み出奔した亀弥太の生き方は とても明確なものだと思うのですが、ここまで時代が 動いたからには攘夷はすでに過去のものであり、その過去 に縋って生きた人間たちの末路というのは今の時代の流れ に乗り切れずに淘汰されるしかなく、あれだけ一世を風靡 した攘夷ですら受け入れられないという時の流れの残酷さ を感じずにはいられませんでした。 一連の流れを見てますと、史実とは違うところがあったり して突っ込みどころが満載だったりしますが、時の流れと いう意味ではこれまでも偏った思想に捉われずに淡々と 語ってきた「龍馬伝」だけに、激動する幕末という時代を 巧く表現していたと思います。 ちなみに、今回の龍馬たちの念願であった神戸海軍操練所 ですが、実のところ僕はその跡地を毎週見てたりします。 というのも、これまでの日記でもしょっちゅう書いてます、 僕が担当している三宮のお店から高速で帰るときに阪神 高速の京橋入り口から乗るのですが、その入り口に行く ちょい手前に記念碑が建てられています。 ラストでの龍馬伝紀行ではさらっと流されていましたが、 まだ天地人が放送されていた頃に何気なく走っていると ふと見付けたものですが、ここに勝海舟や坂本龍馬がいた と思うとなかなか感慨深いもので、以来そこを通るたびに 海側を眺めることでここから新しい日本が始まるきっかけ のひとつがあったんだなぁと思うとこの時代を少し身近に 感じる気がします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.06.14 00:48:27
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