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テーマ:心のままに独り言(8837)
カテゴリ:夢の話
その国の王子様は女性たちの憧れの人でした。
年頃の王子様には他の国や有力な貴族から数限りないほど の縁談の話がありましたが、しかし王子様はそのすべてを 断っていました。 早く王子様に妃を迎え入れたい王様は、王子様が気に入る 女性を見つけるべく、身分にこだわることなくすべての 女性が参加できる、国を挙げての舞踏会を開くことに決め ました。 これまでは貴族以外は身分の違いからか憧れでしか王子様 を見ていなかった女性たちでしたが、自分たちにもチャンス が回ってきたと誰もが色めき立ち、舞踏会に備えて準備に 余念がありませんでした。 王子様に会える、その知らせは貧しい下働きの女性の耳にも 入りまして、遠くから王子様を見るだけだったその女性も 舞踏会に参加しようとしました。 ですが、貧しい下働きの女性なのでお金などなく、他の女性 たちのようにきらびやかに仕立てたドレスなど用意できず、 舞踏会の日まで仕事の合間を見つけてせっせとドレスを自分 で作ることにしました。 布地を買うのも苦しい生活でしたが、その女性はいつも王子様 が上を眺めている姿が印象的だったため、青と白の布で空を イメージしてドレスを作り始め、ようやく舞踏会の日の前日 にそのドレスは出来上がりました。 そして舞踏会当日。 どの女性もが必要以上にきらびやかに着飾り、王子様の目を 惹こうとしましたが、相変わらず王子様は上を向いたままで、 一向に女性に興味を持つ素振りもありませんでした。 そんな王子様の態度に、女性たちは焦りつつも優雅に振る舞い ながら過ごしていたのですが、下働きの女性が遅れて会場に 登場するやその青と白の斑模様のみすぼらしいドレス姿を見て、 王子様のつれない態度に溜まった鬱憤晴らしもあったのか陰 から聞こえるくらいの声で悪口を言ったりしてました。 ドレスだけで何も装飾物も身に付けてない下働きの女性は、 あまりの場違いさに逃げ出したくなりましたが、王子様に 会えるというそれだけのちっぽけな願いを叶えるために、 女性たちに罵声を浴びせられながらも勇気を振り絞って 王子様の前へと進んで行ったのです。 すると、どうしたことでしょう。 それまで何も興味を示さなかった王子様が、いきなり夢から 醒めたように辺りをきょろきょろと見回し、また上を向いて 確認したかと思えば今度はまっすぐに見つめる視線の先には 下働きの女性がいました。 その王子様のいきなりの行動に、王様はおろか会場にいた 女性たちも驚きのあまりに固まってしまい、舞踏会の会場の 時間が停まったようになってしまいましたが、恥ずかしさの あまり下を向いたまま歩いていた下働きの女性は気付くはず もなく、前に人の気配を感じて顔を上げた女性の先には何と 王子様が立っていたのです。 まさか目の前に王子様がいるとは想像も出来ず、あまりの 事態に何も出来ずにいる下働きの女性へ、王子様は手を差し 伸べ生まれて初めて女性をダンスに誘ったのです。 それまでは絶えず音楽が流れていた舞踏会でしたが、王子様 の行動により静まり返った会場の中、初めて踊るダンスに あたふたしながらも王子様のリードで下働きの女性はみんな の注目の中、いつまでも踊り続けました。 後日、その下働きの女性は王子様と結婚し、後に王妃となった のですが、王子様からナイアガラ王妃と名づけられました。 というのもあの舞踏会の夜、いつものように上を見上げていた 王子様の目に、いきなり力強いナイアガラの滝の光景が飛び 込んできまして、これまでの人生になかった感動を与えてくれた その女性と一緒に過ごしたいと王子様は思ったそうです。 王妃には何のことだかわからなかったのですが、王子様は笑い ながら天井を指差し、ぴかぴかに磨き上げられたシャンデリア に映った王妃のドレスが今にも飛び出し流れ落ちてきそうな ナイアガラの滝に見えたと教えてくれました。 正直者の王妃は、王子様がいつも上を眺めていたからドレスは 空をイメージして作ったことを言うと、王子様はどういう思い で作ったにせよ、僕を感動させたことには変わりはないよと答え、 二人は仲睦まじく末永く幸せに暮らしました。 という、MASTERキートンに出てきそうな昔話のエピソードの夢 を突然見ました。 イメージとしてはシンデレラちっくなものがあったのですが、 なぜにナイアガラなのか、夢の話なだけあって僕にもさっぱり 理解できましぇん。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.12.08 18:57:40
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