灰色の空のむこうには…

大人は言ってもわかってくれないから…
実力行使するしかないんだよ


毎回番組編成期になるとどんな新ドラマが始まるのかを
チェックするのが僕の密かな楽しみなのですが、刑事もの
と医療ものは高確率でチェックする僕としては、この
「DOCTORS 最強の名医」は鉄板で見る予定のものでした。

しかし最近では刑事ものも医療ものも毎回のようにドラマ
では放送されるようになってか、他とは違ったテーマで
攻めてくることで今までにない興味を惹くことで視聴者を
飽きさせない内容になっているのに対して、このドラマは
あらすじを読む限り優秀な外科医が病院を変えていくと
いう王道的な展開っぽかったので、正直なところ始まる
まではあまり期待していなかったのです。


とりあえず第１話だけ予約して、微妙な内容だったら見る
のは止めようと思い、放送後しばらくしてから見ることに
したのですが、王道的な展開ながらも主人公である先生が
笑顔でいながら曲者という個性的なキャラで、さらには
旧態依然とした体制には一人で変化球で立ち向かう姿に
すかっとした爽快感を覚え、毎回安定した面白さを感じる
ことが出来るものでした。

ただ切った張ったをするだけでなく、その派閥ともいえる
グループを作ったダメ医者たちをどのように動かすことで
理想の病院にしていくか、外科医的な思考なら悪いものは
切り捨てるという考えが普通だと思いますが、主人公は
悪くても切り捨てることなくむしろいいところはきちんと
認めて、個性的なキャラであっても手のひらで転がして上手く
立ち回っていくところがとても良かったです。

何よりその旧態依然としたグループのダメ医者たちも個性的
な医者が多く、しかも単純で扱いやすいという人間らしい
ところがあり、主人公を中心に医者だけでなく看護師や
理事長まで考え方が変わり、今までのそれぞれのキャラの
イメージからちょっとずつ変化するところが、主人公の思う
理想の病院へと一歩ずつ近づいているのを感じることが出来、
なかなかスカッとする爽快なものでした。


残念なことにこのドラマは全８話と、他のドラマに比べると
回数が少なすぎるくらいのもので、もう少し見ていたいなぁ
と思えるものだっただけに、ぜひとも続編の製作を期待したく
なるひさびさに面白い作品だったと思います。