灰色の空のむこうには…

未来は誰かに与えられるもんじゃない
そうやって自分の手で築き上げていく
もんなんだ


正直なところ本屋さんでは平積みされているのを見たこと
ありますが、世間ではそんなに話題になっていないマンガ
が原作でドラマ化されたのは、よっぽど面白い作品なのかな
と思って見たのがきっかけでした。


見始めた頃はまだこのドラマの世界観がよくわからなかった
ので、先のことがわかるなんて未来日記とは便利なツール
だなぁと軽い感じでしか思いませんでしたが、気が付けば
サスペンスあり、ホラーあり、さらにはバイオレンスありと
いつの間にやら物語がバトルロワイヤル化してまして、最近
よくあるどこぞで成功した作品の二番煎じかなと思っていま
したら…。

いよいよクライマックスと未来日記を持ったキャラたちに
よる生き残りを賭けたバトルロワイヤルもどきが主人公の
退場によって唐突に終了したと思いきや、そこから物語は
一転してミラクルな想像も出来ないくらいの超展開になり
まして、あまりの面白さにぐいぐいと引きずりこまれて
しまいました。


この物語はバトルロワイヤルな第１部とそれを解決しよう
とする第２部に分かれていて、第１部ではどういう展開に
んじゃるのか手探り状態で訳のわからないままに主人公と
謎に満ち溢れたヒロインが登場して他の未来日記所有者と
バトっていたのが、第２部では次第に明らかになる主人公
とヒロインの関係に加えて、ヒロインの主人公への切々な
思いがひしひしと伝わってきましてとても良かったです。

ヒロインとの関係だけに留まらず、主人公たち以外の登場
人物たちもそれぞれ事情を抱えていて、個々のエピソード
もそれぞれの立場なりに心を打つものが多く、ただ単に
ストーリーを膨らませただけでなくしっかりと回収する
ところがまた素晴らしかったです。

この物語は、最近では珍しいくらいに伏線を張り巡らせる、
しっかりと練り上げられたものでありながら、きっちりと
ラストには解決されていまして、さらに主人公とヒロインの
再び始まるこれからの未来に希望を感じることの出来た
ドラマでした。