八重の桜第25回「白虎隊出陣」…
今回のエピソードを見てつくづく思ったのですが、あまりにも会津の軍備といいますか戦への備えがお粗末すぎたように思います。戦国時代、織田信長が桶狭間の戦いで今川義元を破ることが出来たのも、古今東西の戦において最重要視されたのは情報であって、情報を制するものこそ戦を制すると言って過言ではないくらいなのですが、籠城に備える藩の人たちの姿を映しながらも、攻め寄ってくる新政府軍の影。新政府軍が会津へどの峠から攻めてくるか読めないからと全稜線の包囲網を敷くというのは、正直なところ数でも装備でも劣る会津の立場からすると無策以外の何物でもないように思います。待ちかまえられているならともかく、広範囲へ広がった軍勢に対して新政府軍は一極集中で敵が攻め落とせばいいだけで、そこを抜けたときに広がった軍勢なら破られた箇所をカバーするには間に合わず、だからこそ峠を越えられると後は怒涛の勢いで攻め込まれたのであって、情報戦で負けたおかげで倒幕されたのに、この期に及んでも情報を重要視することなく体当たりで戦おうとした首脳陣の考えは理解出来ませんでした。物語としては攻め寄る敵に対して藩を挙げて皆で戦おうという決意が現れている、見ようによっては美しい感動的なシーンだったりするのですが、実際のところは藩の重役たちによる失策のために藩士の家族たちまでもが犠牲になっていくという痛々しいものでした。