「尊い教えが岬鯵・岬鯖」
なんて読むと思います?岬鯵・岬鯖これが読める人は結構な「通」です。はなあじ・はなさばと読みます。豊後水道、四国佐田岬と九州佐賀関の真ん中で釣れる鯵と鯖のことです。不思議なことに四国側 三崎漁協に水揚げすると岬鯵・岬鯖になり、佐賀関漁協に水揚げすると関鯵・関鯖になります。同じ魚です。でも値段は岬鯵・岬鯖が安いです。僕の生まれ故郷は佐田岬半島の先端 旧三崎町正野(佐田岬灯台のふもと)です。日本一長い半島です。約13里(40km)あります。昔から、地元では先っぽのことを「おはな」と言います。先っぽの方に住んでいる人を「おはなの人」という使い方です。字は多分「端」が元々ではないかと思いますが、同じ意味で「岬」をはなと呼んでいるのだと思います。そんなことから岬鯵・岬鯖です。美味しいです。特に鯖は。刺身では他の何よりも美味しいです。何故美味しいか?ここは非常に潮の流れの速いところ大潮の時には最高で5ノット(9km/h)ぐらい流れます。貨物船はこの流れを利用して時間調整をしてこの海域を通ります。逆潮で行くと時速10ノットの船は(10-5=5)5ノットしか進みませんが、上げ潮で行くと(10+5=15)15ノット、その差は10ノット(1時間走ると19kmの差がつきます。)ありますから、当然でしょう。どれくらい凄いかというと、佐田岬半島と佐賀関を結ぶ線上には中央構造線という尾根(海底山脈)が走っています。そこは水深100mぐらいに浅くなっています。その南北、ちょうど佐田岬灯台の真上、真下には「海釜」(かいふ)と呼ばれる突然、すり鉢状になって落ち込んでいる地域が2つあります。その深さたるや、-400mと-220mです。この海釜の周りは、およそ120~130mですから、なぜ、ここだけがこんなに深くなっているのか?それは、佐田岬沖で突然狭くなった海峡のため、潮の流れが速くなり、海底のたまっている土砂を押し流してしまい、その押し流した分の土砂の堆積が海釜の周辺部分の砂州となっています。中央構造線の海底山を越えた海流はもの凄いエネルギーで山脈の斜面に沿って流れ、すその部分の土砂を押し流してしまいます。なぜ2つあるかというと、満ち潮のときは潮の流れは南から北へ行きます。引き潮はその逆です。そのため2箇所あります。こんな激しい、海流の中を泳いでいる魚ですから、もまれています。そして、磨かれています。もう1つ、美味しい理由があります。この方が大事です。それは、一本釣りで釣っていることです。網は使いません、ジャミは撒きません。釣ったその場で活きジメをします。釣ってから24時間以内で市場に届けます。特に周辺の地域でまき網、底引き漁業がほとんどの中、古くから三崎漁協は一本釣り、網を許しません。海の資源を大事にして、小魚を取らないで済みます。設備投資がいらない分、必要以上に釣らなくても生活できます。そして、自分の子供たち、孫たちに魚資源を残してあげられます。実際、トロール、まき網は年々漁獲高が減り、廃業の危機が来ています。現代に通じる尊い教えです。「必要以上にとらない。」「自分の人生より未来の人生。」本当の思いやりではないでしょうか。そして、代々みんなが引き継いで、みんなが少しづつ我慢して、若い漁師を育てています。その思いが岬鯵・岬鯖の本当に美味しい理由です。しかしながら、不漁の波は地球環境の波です。三崎漁師も不漁に泣いています。自分たちだけが環境を守っても、回りが同じように守らないと意味がないことが判ってきました。これまでの中でも最大の危機です。本当の忍耐、辛抱を続けています。それでも律儀に一本釣りを続ける三崎漁師を応援してください。ぜひ、食べてください。買ってください。きっと、三崎漁師の心意気の味がします。鳥羽一郎さんも応援していただいています。歌ってますよ。「酒は熱燗ー、さだみ~さきぃ~」(海峡の春)です。じゃんじゃん!どや~!!直営店 三崎漁師物語は地元と松山市衣山(パルティーフジ内)にあります。ホームページはこちらです。http://www.misaki.or.jp/hamadayori.htm(終り)----- Original Message ----- From: >To: ??????@hotta-grp.co.jp>Sent: Saturday, September 24, 2005 10:59 AMSubject: 24日の日記