ひかりのダンス

久しぶりに、ガイアシンフォニーのお話です。

一こまスポンサーに参加し、自分もどこかで参加している
ような特別な気持ちで観たガイアシンフォニー四番は、その
登場者の中で夫と私は同じ人に魅せられました。

沖縄の版画家、名嘉睦稔さんです。
少年がそのまま、大人になったような目をキラキラさせて
自然の中にいる様子、また、版画の製作中の迫力ある様子は、
棟方志功さんを思い出させます。

四番の映画を秋に観て、夫は、早速「俺は沖縄の睦稔さんの
生まれた伊是名島に行ってくる」と翌年の1月にリュックを背
負い出掛けていきました。

初めての旅でしたが、伊是名島で泊まった民宿の女将さんと
すっかり意気投合し、1週間ほど滞在し、島を巡ぐり歩き、
睦稔さんの生家を訪ねたり、地元のおばぁにお昼をご馳走に
なったり、伊是名島を堪能して来ました。

その後、本島へ戻り、幸運にも睦稔さんと出会うことが出来
30分ほどお話も出来、映画で観るより更に優しい方だったと
感動して、帰って来ました。

夫の伊是名島への旅は、3年続き、最後に訪問した、その4ヵ
月後にあちらの世界へ旅立ち、
私はその翌年、夫のお気に入りの伊是名島を訪れました。


ガイアネットワーク名古屋の皆様と



その旅に至るには、不思議な経緯があり、たまたま、トライ
アスロンで伊是名島を訪れていた、ガイアネットワーク北海道
の代表をされているＭ氏との縁から実現しました。

ガイアシンフォニー四番にも紹介されていた伊是名島の豊年祭
（ウイナー）にあわせ3年前の7月20日のことです。


睦稔さんが先頭になり豊年祭を盛り立てている様子



この豊年祭に参加して心に残ることがあります。
その年に家族に不幸があった家や病人の出た家を皆で元気付け
にまわるのです。訪問された家では、泡盛やおやつ果物などを
振る舞い、皆さんにお礼の気持ちを表わします。

最後に老人ホームを訪れ庭で椅子に腰掛けている3人のお年寄り
に皆さんのサンシンの音色が届き、それまで無表情であった、
おじぃはそばに近づいてきた人のサンシンを片手で握り、目が
輝きはじめ、もう片方の私の手を握る力が増して来ました。
自分の若かりし頃を思い出したようです。

3人のお年寄りの一人は睦稔さんのお母さんでした。
痴呆がすすみ、自分の子供とわかるのか否か、睦稔さんは、
うつろな目のお母さんを優しく抱きしめていました。

この地域の交流の豊年祭を睦稔さんは、守り続けたいと毎年、
伊是名島に戻り盛り上げているのです。
私たちのようにガイアシンフォニー四番をみてこのお祭りに
参加される方もいるようです。
この島で地域の人の優しい交わりに触れ、それを継承しよう
とする睦稔さんにさらに魅力を感じました。

私たちの心の中にある自分の故郷のようなもの、忙しさに
紛れ、失いつつあるからこそ、その大切さを思い出すように
年に1度のお祭りに集い、互いのことを確認し、励まし、勇気
をいただき、それを糧に自分の場にまた戻っていくように感
じるのでした。

この伊是名島は、琉球王朝第二尚円王の生誕の地のため、優遇
されることが多く、人頭税も課せられなかったと民宿の女将が
教えてくれました。
ここ伊是名島は神様の島で小さいながら水も湧くので稲作栽培
も出来、地元に泡盛の醸造所もあり豊かな島です。
そのためか、島の皆様はとてもおおらかです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく