出稼ぎの人が広める日本の味
サンパウロの中心街の一つ、リベルタージ。かつては大日本人街として日本人ばかりだったらしいが、今では韓国系、中国系の人たちも増えてきて東洋人街となっている。 街のいたるところに鳥居のような門というか飾りがあり、橋の名前も「三重県橋」や「大阪橋」などとなっている。 寿司屋さんや日本の居酒屋も多い。最近の傾向としてはラーメン専門店が増えていることらしい。少し歩いただけでも4,5軒は見かけることができる。とんこつラーメン、味噌ラーメン、塩に醤油とメニュだけを見れば日本のものと遜色がない。味はというと、人それぞれなので断定的にはいえないが、まあ食べられないことはない。 昔は中華料理店にラーメンもあって、それなりに人気メニューだったとのことだが、専門店でも採算が見込めるようになったのは最近のこと。 日本に出稼ぎに行く日系人が増えたことを関係があるようだ。ラーメンに限らないのだろうが、出稼ぎから帰ってきた人を中心に日本の飲食店の傾向が広められていったようで、そのためにラーメン専門店への需要が上がってきたらしい。 今では現地の日系人にとっては、“たまの贅沢”にちょうどよいらしく、せっかく街中に来たのだからラーメンでも食べて行こうということになる。 出稼ぎで日本を経験した人たちがこれからも現代の日本の飲食店の傾向を広めることは確実だろう。牛丼やカレー専門店なども時間の問題かもしれない。