<2011年>映画「サンザシの樹の下で」
【スタッフ】 監督=チャン・イーモウ 原作=エイ・ミー脚本=イン・リーチュエン 撮影=チャオ・シャオティン【キャスト】チョウ・ドンユイ =ジンチュウ ショーン・ドウ =スンシー・メイチュアン=ジンチュウの母 リー・シュエチェン=村長チェン・タイシェン=ルオ先生 スン・ハイイン =スンの父【あらすじ】文革の嵐が吹き荒れる1970年代初頭の中国では、下放政策のもと、都会の若者は 農村へと強制的に送られ、農業実習を通じての再教育が行われていた街の高校に通う「ジンチュウ」も農村に送られ、村長宅に住み込み、農業を手伝うことにその村には、サンザシの樹があり、抗日戦争で亡くなった兵士の血によって、本来白い花が赤く咲くという言い伝えがあり、革命精神の象徴となっていたそんな中、「ジンチュウ」は地質調査をしている青年「スン」と出会う「スン」は「ジンチュウ」への好意を隠そうともせず、一方の「ジンチュウ」も「スン」の素直で誠実な人柄に次第に心惹かれていくしかしこの時代、恋愛は非難の対象でしかなく、ただ逢うにも人目を忍ぶ日々が続く二人だったが・・・・・ -----------------------------【サンザシ】バラ科サンザシ属 学名=Crataegus cuneate 和名=山査子(サンザシ)英名=Chinese hawthorn, Japanese hawthorn 原産地=中国初夏の花で 花色は白、ピンクなど 花言葉=「希望」「慎重」【キリストのイバラの冠】キリストが処刑された時のイバラの冠はサイヨウサンザシの枝でつくったといわれそれでこの植物が不思議な力をもっているといわれるようになり、この小枝をもっていると船は嵐をさけることができ、旅人は雷に打たれないともいわれた -----------------------------親日家の「チャン・イーモウ」監督作品なんだけど 共産党政府に気を使ってなのか日本兵による中国人兵士の死体がサンザシの木の根元に埋められ 本来 白色に咲く花が赤く咲くという抗日運動の象徴「サンザシ」を真ん中に置いて物語が進行しますそれ以外にも 「チャン・イーモウ」監督らしく 「毛沢東」の文化大革命を強烈に皮肉り、イヤ批判してる だけでなく なんとバカバカしいコトをと嘆いてます 更に主役の「ジンチュウ」の相手役「スン」の死に方が異常 何か特殊な任務(核とか化学兵器とかの製造)に携わっていたんじゃないのか?と思わせる節が 何カ所もあったりして・・・・そういった政治的隠し味を除けば この映画は純粋な純愛悲恋物語で 普通に泣けます文革最中なので 民間人同士の相互チェック体制により 毎日の生活態度は他人の眼を気にしつつ整然としてなければならず 二人の逢引きシーンには 何時見つかるかとハラハラ ドキドキしどうしでした「ジンチュウ」は16才の少女 「チョウ・ドンユイ」が演じてこそのいい感じで小柄で細身ってこともあって なにか物憂げで頼りなさそうな感じが ジジイの心を揺さぶって そう孫娘でも観てるような 感じかな?それを「ショーン・ドゥ」の「スン」が とっても優しく紳士的に愛してくれる 祖父としては ホントにいい奴で安心して見守っていたが・・・・なんと哀しい結末が絵画の様に美しい画面が心地よく 二人が隠れてデイトする どの場面も素晴らしい水辺で水着に着替え 水をかけ合いはしゃぐ二人自転車に二人乗り シャツで顔を隠し坂道を下るシーン走り出した渡し舟 追ってきた「ジンチュウ」を見つけ 即湖に飛び降りた「スン」セメントを素足でこねる作業で腫れてる足を洗ってやる「スン」 等々 印象深いアッ それと母親と子供たちが懸命にしてる内職が懐かしいオイラの家でも 母親がやってたことがある郵便封筒作り 角を奇麗に折って周りに糊を張って 封筒を仕上げる 小学校の頃だったが子供達全員で手伝ってた戦後数年間は 日本人の大半はこれ以上に貧しい生活を強いられていたんだこんな時代の事を 忘れちゃ駄目だよね