カテゴリ:桑原水菜&ミラ旅
炎の蜃気楼・幕末編『獅子喰らう』を読みました。
『獅子喰らう』はCobalt9月号に掲載されたものですが、 今回は文庫化にあたり『獅子疾走る』がプラス。 1冊の1/3頁が「喰らう」、残り2/3が「疾走る」という構成で 書き下ろしがタップリでした♪ (「獅子喰らう」感想はここ) そんな訳で今回の感想は「疾走る」中心。 舞台は前半と変わらず幕末の京ですが、残念ながら土方さんは登場せず、 新撰組と敵対する長州の要人が夜叉衆たちと関わります。 中でも幕末という時代と志士の熱気にあてられたのが景虎と晴家で、 景虎は大久保に、晴家は桂に付いているため元治元年時点では敵同士 主君より恋人をとってしまった晴家の負い目が切ないですが・・ 今回は呪殺で倒幕を企む怨霊が本当の敵なので、ラストは力を合わせて調伏! カッコイイねーさんでしたぁ さて肝心の直江ですが、 こちらは景虎様に一度会ってしまったら最後 逃がさないっ な勢いで脱藩決意。 義明は有髪坊主でしたが・・本物のボーズになりやがりましたーーーっ で、これに対する景虎さまの言葉がオモロ~で、嬉しがる直江はやっぱりM。 ほたかさんの直江イラストが何故表紙だけなのか、分ったよーな気がします(笑)。 幕末編の夜叉衆は300年前に比べるとかなりバラバラに生きていますが、 キャラの中身は本編に相当近づいています。 なので邂逅編では全然聞こえなかった松本さんと玉川さんの声が読書中にしますし、 直江と景虎の終わりなき執着心も強くなっているっ それでも心地よい関係を築くことに罪悪感を抱く景虎と、 もっと自分に頼って甘えて欲しい直江はやはり反発関係。 直江の主人へのボディタッチは増量しているものの(夜のお散歩シーンは◎)、 狂犬化するのは100年後・・。よくぞ耐えたもんですっ。 にしてもこの二人の300年を戦国時代、幕末と垣間見るに、 直江って男はつくづくポジティブでオメデタイ人なんだな~と改めて感心。 「あなたとならば、私はどんなに荒れた時代の到来も怖くない」 と言い切る彼は何とも力強くて・・ 生き続ける意味や迷いが哀しい物語の中では光る一言 やっぱり大好きです さて、桑原さんが大河について後書きで触れていましたが、 いつも文句ばかり言っているアタシはちょっと反省・・ とても素敵な大きく頷けることが書かれています その他中学時代に新撰組に嵌ってご当地めぐりをした話などが記されていて、 自分と同じことしていた同年代の桑原さんにかなり親近感。 根っ子が似ているからこの人の作品に嵌ったのかなと、妙に納得したのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.04.03 22:22:53
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