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2017.08.12
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カテゴリ:和書



この本は、2007年8月24日に起きた事件を書いたものです。
去年の11月に発売されて、話題になっていたので読んでみました。
10年も前の事件、そして毎日起こる色々な事件。
正直、自分の記憶の中に残っているとはいえなかった。
読んでみると事件の残虐さ、犯人の鬼畜としか思えない行動。
しかし、犠牲者となった磯谷理恵さんの最後まで戦った毅然とした行動に胸が熱くなった。
この事件は、犯人3人がインターネットの「闇の職業安定所」で
危ない仕事をする為に集まり起こった事件です。
知らなかった者同士だけど、お金の無い者同士、犯罪歴のある事など、
偶然にも同じ様な境遇も者が集まり、ゲームのように犯罪を犯してしまう。
被害者の女性は、帰宅途中に拉致され、2時間後にはコンクリートのハンマーで
頭部を40回も殴打をされ、山中に遺棄されてしまいます。
殺される直前、男たちにカードの暗証番号を聞かれ、震えながら答えた数字。
「2960」。
男たちは、彼女を遺棄した翌日銀行に行きお金を引き出そうとするが
番号が違っていたので引き出せませんでした。
結果、犯人のうちの1人が死刑になりたくないからと少ない所持金から警察に電話を掛け、
事件が明るみに出て、残りの2人も逮捕されました。
(その夜には、もう1回同じような事をやろうと約束して分かれていました。)
裁判では、誰が主犯なのか?裁判中に犯人達が罪を擦り合い、反省の色はゼロです。
事件の残虐さから、「死刑の嘆願の署名」が沢山集まりとても注目されました。
死刑の争点は、犯人3人が死刑になるのか?
ただ、司法は過去の判例から1人の殺害で3人の死刑がでるのは
厳しいのではないかという空気が流れています。(所謂永山事件判例)
しかし、名古屋地裁で2人死刑、1人無期懲役の判決。
控訴して、争っている中、1人の死刑の上告取り下げで、1人の死刑が確定。
残りの1人の死刑判決は、最高裁で無期懲役で確定してしまいます。
そんな中、無期懲役だった犯人が過去の事件の洗い出しで出て来た過去の事件で、
ある殺人事件に関与している事が判明。
その事件で、死刑の判決が確定しました。
彼女が最後犯人達に教えて数字「2960」、解読すると「にくむわ」。
事件は、彼女の気持ちが最後まで動かしたと本当に思った。


読んで感じたのは、誰でも毎日の日常の中に危険な隙間があるかも知れないという事。
何も落ち度のない人が、誰でも被害者になってしまう危険があるという事。
しかし、被害者になるとその人の個人情報などが垂れ流しになり、
死んでまで知られたくない事など、暴露されてしまう事。
一方、犯人達は自分達の権利を主張し守られてしまうという事。
今も事件が起きて、犯人ではなく被害者のフルネームだけ公表される事がありますね。
これには、私も違和感を持っていたのですが、
重大事件の犯人の保護って必要なのでしょうか?
今、忘れられる権利なんていうのが騒がれているけど、
犯罪を犯した人の事を知る権利の方が大事だと改めて思った。

今年読んだ和書の中で、一番印象に残った作品です。
皆さんも良かったら、是非読んでみてください。



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最終更新日  2017.08.12 05:29:24



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