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カテゴリ:随想
15年以上は愛用したであろう黄色いタオルケット。
夏はこわしやすい腹をガードし、冬は肩から首に掛けて布団の隙間から 入り込もうとする容赦ない寒気を防いでくれた。 ボロボロになったタオルケット。 僕はさほど気にならなかったんだけど、こんなものいつまでも持ってると 運気が落ちるからと妻に捨てるようにと勧められ、やっと資源ゴミに出す決意をした。 ロールケーキの様に巻かれて、チャーシューの様に縛られた。 タオルケットはもう何年も前から今は亡き愛猫の爪で激しく糸を引っ張り出されていて、 確かにもう元は取った貫禄を十分醸し出している。 糸がたくさんほつれていて雑巾に再生するのも困難か。 資源ゴミの日の朝、ビールの空缶や雑誌の束と一緒にゴミ置き場に出した。 ゴミ置き場からタオルケットを救出するのに2分とかからなかった。 やはり物は大事にしないとなぁ…なんて思いつつ、 妻の目を気にする様にタオルケットを自転車のカバーの中に放り込んで隠した(?) …が妻に見つかるのに2日とかからなかった。 車のハッチバッグにひいておこうと思うんだよと言ったら、もっと綺麗な物をひいてくれと 直球で返されたので、友人のK君の家に避難させる事にした。 K君の家は、僕の待避所として僕が捨てられないけど自分の家に置いて置けない物達の 避難所として活躍している。 彼の家はバルコニーだけで12畳はあり、6つの部屋とキッチンがあって、 そんな広い家にK君は独りで太り過ぎのトラ猫と住んでいて、本人もやっぱり少し太っている。 K君ちは、時には僕自身の待避所として、妻の機嫌が悪い時、酔って直ぐ帰れない時、 仕事や人間関係で嫌な事があった時など、ほぼ自由に隠れ家/アジトとして活用している。 人間は、ご飯の食べ方やゴミの出し方などでその人の<ひととなり>や質や育ちが 判ると云うけれど、K君と僕の妻はその点、なかなかのものだ。 いろいろ問題はあるが、ちゃんとビールの缶を濯いで潰したり、ゴミの分別も細かい、 米やご飯も粗末にしない。けっこうエコで自分を取り巻く環境と関係性を考えている。 ただ、妻にいたっては、たまに物を投げ付けて、壊し、ゴミを増やしている(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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