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2006年09月25日
カテゴリ：随想
東京駅に顔なじみの拾い屋のお兄さんがいる。
僕は目上の人をだれでもお兄さん／お姉さんって呼び、 相当年輩の方にいたってからやっとお父さん／お母さんって 呼ぶから、実際の処、彼はおじさんっていった方が相応しいかも 知れない。 先週、初めて彼の年齢をきく機会があった。 もう７０歳近いと云っていた。僕より腕も太く筋肉も有るし、 顔のシワが浅いせいか歳よりずっと若く見える。 前歯が１本しか無いけど、屈託のない善い笑顔の持ち主で、 一目悪い人間では無いことが見て取れる。 もうかれこれ5年くらい前から隔週くらいのペースで彼から 週間少年ジャンプを１００円で買っている。 （僕にはもう一軒いきつけのジャンプ購買店がある） 今日、彼から拾いたてホヤホヤのジャンプを買った時、 首の処に湿布が貼ってあるのがシャツの襟の内側からチラリと見えた。 きくと、左の首筋が痛くて曲がらないそうだ。 『最近寒くなってきたからねえ…』と云っていた。 彼がホームレスなのか、ちゃんと寝床があるのか、僕は良く知らない。 いつもジャンプを買う時に一言二言、暑いだの雨降りだのと話すだけだからだ。 お互いの身の上の事などきく気にもならない。 ただ寒いところで寝起きしてるのかなあって思って、 「今度ジャンパーをあげるよ。」 なんて口走って、ジャンプを持って後にしようとしたが、 来週持ってくるのも大変だし、今日の夜も寒いだろうな…って思うと、 おもむろに鞄の中にはいっているナイキのジャンパーを彼に渡した。 というか、あげてしまった。 僕がいつも電車の中で効き過ぎた冷房を避けるために持っている やつだ。ジャンパーというより、ウインドブレーカーかな。 お人好しなのか、偽善者なのか、もうすぐ１０月だってのに、 １時間近く乗っていないといけないその日の千代田線の冷房の風は 世間の風と同じように冷たかった（笑） お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
最終更新日
2007年06月15日 02時56分26秒
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