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○。あたしの手に、タカラモノみっつ。○

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2007/09/21
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カテゴリ:Cradle*
処置室のベッドに転がる
看護婦さんの手が触れた瞬間掴まってしまった
必死で掴んで震えて。
「どうしたのかな?分娩台一人で淋しかったのかな?」
そう言われたけど全く違う・・・

旦那様が入ってきて
すぐ上から覆いかぶさるように抱き締めてくれて

「ありがとう、ありがとう、もう大丈夫だよ」

って。
やっと息が少しずつ出来るようになって
涙が一杯出て、しがみついた。

凄く怖かった、ガクガクしてる私に
「お疲れ様」って頬寄せてくれた。

私はうわ言みたいに訳の解らない事を暫く言っていた気がする
落ち着き始めてから、助産婦さんが
赤ちゃんを連れてきてくれた。
自分の横に、待ち望んだ二人目の赤ちゃん。
目の前には旦那様。
これで小姫がいたら最高だけど、入れない部屋だから・・・
残念だけど、明日会えるよね

初めてのおっぱいを、助産婦さんが吸わせてくれたんだけど
私は自分に刺さったままの点滴の成分が気になってたorz
母乳に混ざってるんじゃないかって。

チビ姫は泣くのに
耳に小声で私が話しかけるとすぐ泣き止んで。
それが凄く感動した・・・
お腹にいる時、小姫時みたいに話しかけたり歌ってあげたり
気恥ずかしくて出来なかったんだけど・・・
私の声を、ちゃんと聞いていてくれたんだね。
覚えててくれてるんだね。

うっすら開いた目の、白目部分には真っ赤な出血が・・・
びっくりして看護婦さんに聞くと
「この子も頑張ったからね・・・」って
私が頭部分をゆっくりしか出せなかったから
顔面鬱血と共に白目部分からの内出血・・・
本当にごめん、苦しかったよね、痛かったよね、チビ。
ありがとう、産まれてくれて。
ありがとう、生きてくれてて。

看護婦さんから小姫が待つ限界を告げられ
私は大丈夫になったからありがとう、と旦那様を送り出した。
電話で処置室から小姫と話した。
小姫も頑張ってくれてありがとうって。
よくおりこうさんに待っててくれたねって。
小姫の描いた絵があるから、ママは淋しくないよって。

明日逢えたらお祝いのプレゼントあげるからね!って。

分娩から4時間経過している
私はまだ処置室にひとり。
点滴の液はなくなって、自分の血が上がりそうで押さえてた。
勝手に抜いたら怒られるだろうし。
それ以前に、点滴の針・・・もう血管に刺さって無いしw
ナースコールをしてもこない。多分忙しいんだと思う。
来た時に抜いてもらった。
お産が三人入っているのに、
助産婦さんは一人しかいないんだって。
当直ドクターも一人だけど。
抜いた後テープも貼って無いし(笑
これは相当忙しそうだぞ・・・と、
個室まで自分で移動しようかなって思ったんだ
「とんでもない!」って車椅子を取りに行かれた。
更に時間は経過して、
別の陣痛中妊婦さんがいきみたがってきた。
「暑い暑い」って言う声に「温度下げましょうか」って
クーラーボタンまで行って、-2にした。
カーテン越しに、その人の旦那さんがお礼を言ってくれた。

助産婦さんが車椅子を押そうとしたけど
その陣痛中の奥さんが、かなり進んでる気がして・・・
「後回しでいいですよ、なんなら手で回して進めますし」
って申し出てみたんだけど却下された。
「じゃぁ・・・せめてあの人がもうやばそうなので、
 先に行って下さい」
って言うと助産婦さんが内診しに行った。
破水したらしく一層慌ただしくなった。

手術室前の通路で車椅子に乗ったまま
ぼんやりしていた

助産婦さんが駆け足気味で押しに来てくれた。
何だか運ばれるのも申し訳ない気がした。
(実際歩けるはずも無い傷だったのに、感覚おかしくなってた)

個室に入り、ドアを閉める。

そこで改めて電話で小姫に眠るようにお話して
旦那様と少し話して(何を話したのか覚えてない)

室温は20℃、体温は37.8℃

丁度暗闇の中で立とうとしたら
いきなり個室のドアが開いて、
驚きのあまり叫んでしりもちついてしまった(||| ̄д)
縫合の傷跡が激しく痛んだ。

びっくりさせてごめんなさいねって言われた。
夜中の見回り看護婦さん・・・もー頼むよー怖かったよー。

赤ちゃんに逢いたい。

夜が明けるのは待ち遠しく、早く逢いたくて逢いたくて
その気持ちだけが破裂しそうだった。

自分の気持ちを、整理していた。
二度目のお産だから、
きっとスムーズに行くんだと思いたかったけど
36wからの出来事に、不安はかなり募って
やっぱり難航してしまったし、
正直トラウマになるような思いを沢山したと思う。
(通常他の産院で麻酔効いてて終わる処置が幾つもあったみたい)
二度と妊娠は出来ない、もう無理だ、これで最後だ
なんて思って、もう終わったんだ、と
自分を落ち着かせてみる夜中。

小姫の時が、前期破水+促進剤ではあったものの
物凄く安産だったんだと実感した。

逢えない赤ちゃんを想う・・・
少しだけ逢えた時の、あの愛しい匂いと小さな体
白目の出血
鬱血で真っ青だった顔
それでも泣いてくれた声
旦那様にそっくりだった顔
私の声に反応してすぐ泣き止んだ事

私が体験した以上に
無垢な小さなイノチはきっと怖かったに違いないし
恐怖と苦痛で酷い思いをしたと思う

いきなり収縮し始めた子宮の中で
守られた膜を弾き破られ
いきなり突っ込まれてきた手に回されて
首が絞まるから降りられない臍の緒に苦しみ
限界まで切開されたのにすっとは通れない母の産道を
突っかかり、足部分辺りを母の腹上から
大人三人に乗られた圧力で押し出されていき
なかなか抜けられない出口で顔面を押しつぶされて。

ごめんね
自然な陣痛で産んであげられなくって
ごめんね
とてもとても怖かったよね
ごめんね

赤ちゃんの事を思えば
臍の緒の事も思えば
きっとこれが最善だったのだと思う
そして
無事に二人こうして居る事は
とても幸せな事なんだ。

赤ちゃんっていいな
妊娠出産っていいな
少しずつ、少しずつ、そう思えてくる母は不思議。

思い出せば震えが始まるほど、強烈だったけれど
それ以上の喜びが、またこの思いもきっと消していく。

0709140129.JPG

キミに逢えて、良かったよ
私を選んでくれて、本当にありがとう。

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我慢して待っててくれた小姫に感謝
最後の5分、立ち会って見守ってくれた旦那様に感謝

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あはは、そっくり

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似すぎてて笑える。旦那様のミニチュア。


小姫とチビ姫と旦那様
その三人が、私の生涯最大の宝物。

0709150395.JPG

今まで読んでくれてありがとう。ぴーす。

このテーマで約60回もお世話になりました。
思い入れは沢山あって・・・
不安な事があれば週数近い人を捜してみたり
先にお産を迎えた人の様子を読んでドキドキしてみたり・・・
色んなお産があって、私もその中の1ケースで。
お産って大変な事もあるけれど
その子の為なら誰でも乗り越えられる

お母さんなんだもの。

後に続く人たちがもしこれを読む事があるならば
どうか頑張って。そして貴女達が安産でありますように。

ありがとうございました。


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Last updated  2007/09/23 06:36:07 PM



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