希望のニート?!
ニート⇒NEETとはNot in Employment, Education or Trainingの略で、「職に就いていず、学校機関に所属もしていず、そして就労に向けた具体的な動きをしていない」若者のこと。最近よく出てくるので皆さんも何となくご存知でしょう。フリーターはそれでも「時々働いたり」するのでまだ社交性がありますが、ニートは本当に何もしないわけです。そう書いちゃうと「ダメな人たち」と思えるかもしれませんが、果たして実態はどうなのでしょう?ここに一冊の本があります。著者二神能基さんは実際に多くのニートと会い、イタリア等での活動を通じて彼らの道探しをしている方です。日本でも「ニュースタート事務局」というNPOを主催し、若者だけでなく中高年層のニート?まで幅広くケアしています。ニート=ダメな人間という定義づけが大半の世論である中で、「ニートは希望がある」という著者は異色です。ボク自身は、たくさんのチャンスがある中で、それも若いという最大の特権がある中で、何も動こうとしない若者の存在は認識していますが、どうしても理解してあげることはできないのです。単純に「ニート」という言葉でまとめるのも乱暴な気がして、単になまけものの仕事嫌いもいれば、何かがきっかけで精神的に参ってしまった人、親の甘やかしが原因で家にいることが楽になっている人。他にもいろいろといるはずです。最近では、モーレツサラリーマンがガス欠?になって「ニュースタート」に駆け込む例も少なくないとのことで、そういう方と「なまけもの」を同じ「ニート」でくくっては失礼でしょう。他の本は学者的一般論が多い中で、この本は実際にニートと向き合っている方が書いていますから、その考え方に賛同するかどうかは個人個人の問題として、実情を知るにはとても参考になる本です。ボクも多くの学生や転職者とお会いしていますが、ニート予備軍になりそうな方も結構います。学生の場合、多くは親の影響が強い気がします。1)母親が甘い2)父親が無関心か、厳格すぎる3)親が金銭的に余裕がある4)甘い割には会話が少ない子供は楽な方にいこうとします。それに対してただ認めるだけ。一人っ子も多いから大切にしてしまう。子育てが初めてなのでナレッジがない。地域コミュニティーが希薄なので、母親は孤独感が強い。様々な環境の中でニートが生まれているのです。状況を並べると、個人の問題ではなく社会の問題のような気もしますが、そこに原因全てを持っていくと「私が太ったのはマクドナルドがあるせいだ!」なんて話と同じになってしまって嫌だな。正直言ってどう対策を練ろうが、個人個人を丁寧にケアしようが、本人にその気がなかったらどうにもなりませんよね。人がいくら環境を作っても、レールを敷いても、何とかしようという気がなければ絶対にニートからの脱出は無理だと思うのです。ボクは、何をするにも大切にしていることがあります。それは、これから社会に出ようとしている学生にも常に言っていること。「ビジョン」「ミッション」そして「パッション」です。人間は生まれながらにして何らかの使命を持って生まれているはずだというのが信条ですが、それが何かを発見するためにも限界ギリギリまで突っ走る時が必ず必要なのです。ビジョンのない人生も事業にも未来はありません。ミッション=使命を感じながら生きることはとても生きがいを感じます。そして何よりも大切なことがパッション=情熱だと思うのです。ロジカルシンキング等のビジネス書が売れています。論理的に考え、効率的に動く。それはとてもスマートなことであり、成功への近道なのかもしれませんが、やはりそれ以上にまわりを引き込むパワー、情熱、想い、気合、根性というような精神的な力強さが絶対に必要であり、人間の想いは何事にも負けないくらいの可能性があるはずです。世間ではありえない確率の奇跡が、ありえないはずなのにたくさん起こっています。それはなぜでしょう。テレビの「アンビリバボー」では良く出ていますが、そのような奇跡は数多くの偶然が重なって起きています。でもそれは偶然ではないと思っています。そうなりたい、そうしたいという強い想いが様々な偶然を呼び込んでいるのではないでしょうか。ニートの話から随分展開してしまいましたが、とにかく言いたいのはいかに自分の意志と行動が大切かということ。環境を作るのも、いろいろなチャンスをつかむのも、人に頼って待っていては絶対に無理で、ハートが熱くならない限りは難しいですよね。ニートのハートにいかに火をつけるのか?ニートを持つ家族は真剣に考えて欲しいです。ボクもファミリーも今メラメラ燃えてますよ!