|
テーマ:ニュース(100209)
カテゴリ:ニュース
米牛肉輸入再開に関して、某総理が記者に「拙速ではないか」と聞かれて、「そうは思わない。ゆっくり時間をかけた」と答えた。
つまり、功遅だったと。 記者は拙速を愚かな行為の象徴として用いた。 某総理は反射的に?功遅を優れた行為の象徴として用いた。 この言葉、検索してもほとんど出てこない。 日本人はあまり感心がない概念かもしれない。 広辞苑によると、拙速は「仕上がりはへたでも、やり方が早いこと」で、「兵は拙速をとうとぶ」「拙速を避ける」という使い方をする。 「兵は拙速をとうとぶ」の解釈は多分、兵は将の一刻も早い決断を尊重するという意味だろう。本来は良い意味である。 「拙速を避ける」という使い方は、恐らく某総理に質問した記者のような使い方で、悪い意味である。 対語である功遅は「巧みではあるが仕上げのおそいこと」で、「功遅は拙速に如かず」という使い方をする。 尚、「功遅は拙速に如かず」という言葉は、孫子の兵法らしい。 意味は、できがよくても遅いのは、できがまずくても速いのに及ばない。物事すばやく決行すべきであるとのこと。 自分は小学生の時の体罰教師に「ゆっくりやれば誰でもうまくできる」と、ゆっくり確実に作業する性格を否定された。 当時、遅いことは無能を意味することだった。 クラスメートにまで「動作を速くしろ」などと言われ続けた。 以後、当然自分は質より速さを心がけて生きてきた。 ところが、なんの作業でもそうだが、ゆっくり確実を心がけた方が結果的に速いのである。ミスを訂正するための時間的ロスがないことと、リズムが崩れないからだ。 うそだと思うなら、数値で結果がわかるタイピングソフトとかテレビゲーム等で試してみるといい。 だから周囲が速くしろなんのと焦らせれば焦らせるほど、拙く遅くなるのである。 孫子が説いた拙速というのは、リーダーの決断を早くせよということではないかと思うのだ。 なぜなら、そうすることで、部下はゆっくり確実を心がけ作業をする時間を持つことができるからである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ニュース] カテゴリの最新記事
|