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日々是考難

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2006年04月10日
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久しぶりの更新です。すっかり怠け癖がついてしまいました。

さて、今「カヴァレリア・ルスティカーナ」と「道化師」というオペラにはまっています。
先日も新国立劇場まで観にいってしまいました。

どちらもいわゆる不倫もの、人妻をめぐる三角関係、四角関係というヤツです。

「カヴァレリア・ルスティカーナ」は純朴な村娘のサントォツアと美しい人妻ローラを二股にかけ、
最後には人妻の夫に殺されてしまうトゥリドットウを巡るお話。

不思議でならないのは、トゥリドットウは人妻ローラとの情事は遊びでしかない、ローラにとっても
それは同じ。なのにローラの夫に浮気がばれた時に自分から決闘を申し込んでしまう。

そうして死を予感した時、母親のルチアに散々そでにしてきたサントォツアの母親になってくれと
遺言を残すのです。

いったいトゥリドットウという若者は何を求めていたのでしょう。ストーカーのようなサントッツアを
煙たがっていたのは確かだし、ローラとの情事はお金持ちの奥さんを誘惑するというスリルを求めて
いただけにすぎません。

この謎を解く鍵は「カヴァレリア・ルスティカーナ」という題名にあるのかもしれません。イタリア語で
「田舎騎士道」という意味です。

このオペラの舞台は19世紀中ごろのシチリア島。まだまだ昔の慣習や宗教概念が強く支配していたのでしょう。
日本でいうと、江戸時代の離島といったところでしょうか。

この物語のように、妻を寝取った間男と決闘してどちらが死んでも罪にならない、あだ討ちのような慣習が
あったのでしょうか。それが武士道ならぬ、騎士道なのでしょうか。

トゥリドットウが求めていたのはその騎士道に従って死ぬことだったのでしょうか・・

このようななんともやりきれないストーリーが、宝石のような大変美しい音楽とともに演じられます。

私は前奏曲、「ああ、緑の葉陰にオレンジは香り」「天上の聖母よ」などがお気に入りなのですが、
特にサントォツアが歌う「マンマもご存知の通り」という有名なアリアが最高です。

サントォツアはなんといっても60年代のイタリアのメゾ・ソプラノ、シミオナートが鳥肌ものです。

シミオナートの伝記を読んだのですが、サントォツアを演じるときは一種のトランス状態に陥って、
気が付くと手にあざができていたそうです。それも納得の凄まじい熱演です。

ちょっと長くなっていまいましたので、「道化師」についてはまた後で書きます。





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最終更新日  2006年04月10日 10時41分33秒
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